Arts de la table
カテゴリ:歌舞伎( 11 )
7月大歌舞伎(歌舞妓座)
歌舞伎座で市川海老蔵さんを見て参りました。
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勤玄くんが出る話題の夜の部ではなく、昼の部の方でしたが、

「加賀鳶」・「連獅子」ともに海老蔵さんが出演されております。

昼の部は「矢の根」からスタートします。

「矢の根」は江戸時代、曽我兄弟の仇討ちを題材にした「曾我物」

と呼ばれる演目を初春興行で上演するのが吉例だったそうです。

幕が開くと・・

五郎が

角前髪に黒鬢、黒繻子に揚羽蝶を刺繍した着付けに仁王襷、筋隈を

とった典型的な荒事の紛装で現れます。

なんとも厳つい出で立ちは如何にもお江戸らしい・・

「連獅子」ほどではないにしても「矢の根」も

何度となく演じられる人気の演目です。

その理由は、父の仇、工藤祐経を曽我十郎・五郎兄弟が

17年の艱難辛苦の上討った事に対する共感。

兄弟の悲劇的な死への同情。

恨みをのんで死んだ人の霊がこの世に祟りをなさないように祭る

御霊信仰など諸説あります。

また、江戸らしい荒事と五郎がマッチしたことも

忘れてはいけません。

「連獅子」は6月の中村芝翫襲名披露公演で3回も拝見し

仔獅子が3頭も舞うバージョンを見ておりましたので、

海老蔵さんが親獅子、巳之助さんが仔獅子という

本来の連獅子のバージョンであること

間狂言ででてくる2人の旅僧は博多座の連獅子では

飲み交わしていたのに対し、こちらは「宗論」

つまり宗派の教えを比較して、己の宗派の方が勝っているのだと

競い合うさまが演じられていることなど

同じ「連獅子」といえども

色んなバリエーションがあるのだと感心した次第です。

「矢の根」と「連獅子」の間に演じられたのが

「盲長屋梅加賀鳶 加賀鳶」

こちらは河竹黙阿弥らしい七五調の台詞がいかにも

耳に心地よく、

序幕の加賀鳶「加賀藩前田家御召し抱えの大名火消し」

と八番組の町火消しとの争いを発端にしている事から

始まる「花道でのツラネ」(加賀鳶達が次々に名乗りを上げる)

が実に江戸らしくて

威勢がよく小気味いいのです。

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     丁度、「矢の根」終わって最初の幕間に

      楽屋へ中村亀鶴さんを尋ねたところ、名乗りで虎屋竹五郎

    を演じられるのですっかり支度が整っていらっしゃいました。

(左に私がちらっと写ってます)

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楽屋の廊下で元気よくニコニコと駈けてくるきれいなお顔の小さなお子さんが・・

すれ違いざまによく見ると

(テレビで拝見した事のあるお顔)

「勤玄君・・!!!」

午前中から楽屋でずっと待機しているそうです・・




    さて「加賀鳶」で海老蔵さんが演じるのは 「按摩 道玄」

    見えているのに見えていない振りをして人殺しをしたり、強請をしたり

     妻を折檻したり・・

     極悪非道の限りを尽くすのになんだか愛嬌があり憎めない・・

    どこか滑稽さがある難しい役所ですが、

  見事に笑いを取っていらっしゃいました。

  海老蔵さんはやはりお顔が際立って整っていらっしゃり

  圧倒的な華があり

  「千両役者」とは海老蔵さんのような方をいうのだろうと・・

   感心する事しきり・・

  

   道玄が姪の奉公先の質屋の主人に言いがかりをつけて、

   ゆする、いわゆる「ゆすり場」があるのですが、

   この場面も全く陰惨さがないのです。

  これはもちろん演じる役者さんの技量によるところが多いのでしょうが、

  河竹黙阿弥の七五調の台詞によるところがとても多いと感じました。

  例えば・・強請に失敗した道玄が居直って言う

  「元より話しの根無し草」

  松蔵に

  「空にも朧のお茶の水」と逆襲され思わず煙管を落とす場面。

  (御茶ノ水で朧月夜の夜に道玄が人殺しをした事を踏まえて・・

  また平安時代から星や月は汲んだ水に写して見るのが風流と

  されていることも背景にあります。)

  七五調はどこか私たちのDNAに訴えかけてくるところがあるの

  でしょうか・・

  今度、朧月夜の夜に・・

  空に向かって一人で、

  「空にも朧のお茶の水」と呟いてみたいものです。


  歌舞伎座前にて・・
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やっとナンタケットバスケットの季節がやってきました。

でもやはり・・

歌舞伎座には着物姿がしっくりきますね・・

後ろ姿でも美しいです。
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お茶を頂きながら
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お食事もお席に届けて頂きました。
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「大入」と見えます・・
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西の桟敷のとても良いお席が空いておりまして、

いったいどなたが来られるのだろうと

思っておりましたがついぞどなたもこられませんでした。

ご一緒した方から教えて頂いたのですが

私たちが観劇した7月21日は小林麻央さんのお誕生日だったそうです。

海老蔵さんがその日のブログで

「空いた席から麻央が見ててくれる気がする・・」

と綴っていらっしゃったのでした・・😢


by artstable67 | 2017-07-22 23:52 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
博多座三夜目と成駒屋さんからのお礼状
実は・・


中村芝翫襲名披露公演、家族全員を連れいてくべく

千秋楽前前夜、

夜の部三夜目に行って参りました。

(これで家族全員のアテンドをコンプリートしたのでした。)



同じ演目を三回も見たのは初めてでしたが、


三回見て分かった事。


①役者さんは毎回魂を込めて演じていらっしゃる。

②古典の台詞がイヤホンガイドなしで入ってくる。

③千秋楽近くなると台詞の中に博多弁が出てくる(ご当地の言葉)

『好いとうと〜』で笑いをとっていた幸助さん夫婦。

④さすがに三夜目は(Lesson翌日で睡眠不足もあり)
眠気が時々襲って来て、

「い、いけない・・」と

何度、腕をつねった事か・・


そんなこんなで千秋楽のあと、

成駒屋さんよりお礼状が届いておりました。

(もう頂く事もないでしょうから永久保存版)
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歌舞伎座の襲名披露公演から始まった、「襲名披露之巡業」は大阪松竹座、そして博多

座(ほかの地方も巡業されて)

最後は年末の京都ロームシアターの顔見せ興行で終了するそうです。

(息子さんたち学校はどうなさっているのでしょう)

襲名披露公演を追いかけている間に、

趣味を同じくする友人との出会いあり交流あり・・

また新たな歌舞伎役者さんの魅力を発見したりと

愉しみが尽きません。


しかしやはり客層は年齢が高いのは否めません。


橋之助さん、福之助さん、歌之助さんのような

若い役者さんがいらしゃると同年代の娘も喜んで足を運び、

そのプロフェッショナルさに感動しておりました。


皆様もぜひお子様方と足を御運びくださいね。

(古典の勉強にもなりますよ💗)


by artstable67 | 2017-07-05 11:28 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
博多座 中村芝翫襲名披露公演 2夜目
博多座襲名披露公演、11日日曜日に今度は父と娘と訪れました。

同じ演目を2回も見る事はなかなかないのですが、

1回目は見落としていた事をゆっくり見れたり、聞き取れなかった台詞が

聞こえてきたり、

今回は花道横のお席でしたので、

役者さんの汗や体の震えまでが伝わって来て

またもや新たな感動に包まれたのでした。

夜の部は

「信州川中島合戦」
「輝虎配膳」から始まります。

私は歴女ではありませんが、戦国武将の中でも根強い人気を誇るのが

武田信玄と長尾輝虎(上杉謙信)ではないでしょうか。

12年の歳月に渡って繰り広げられた「川中島の戦い」

は大河ドラマや時代物の映画の題材にも度々なる合戦ですが、

享保6(1721年)8月に大阪竹本座で近松門左衛門による

全5段の時代浄瑠璃として初演された

「信州川中島合戦」はその後歌舞妓にも移入される事になります。

全5段のうち「輝虎配膳」は3段目にあたります。



あらすじは・・

越後の大名長尾輝虎は、武田信玄に仕えた名軍師である山本勘助を

自らの配下にすることを望みます。

そこで・・

家老の直江山城守の妻が勘助の妹唐衣であったため、

唐衣に命じさせ、勘助の老母越路と妻のお勝を館へ招き、自ら給仕役

として接待します。

しかし越路は輝虎の目的を察し、なんと

大名の輝虎自らが恭しく差し出した配膳を足蹴にしてしまいます!

此の場面で・・

「おお〜〜」と観客席から吐息が・・

感心しているのではなく

びっくり、ハラハラしているのです。

そしてとうとう輝虎の堪忍袋の緒が切れて、

あわや越路が手打ちに・・

というとことで大活躍しますのが、

嫁のお勝。

口が不自由という設定ですので、言葉で取りなす事が出来ません。

琴の名手であったため琴を弾きながら、

(琴を弾きながらでしたら言葉が出てくるのです)

姑の無礼を切々と詫び、山城守も加わり

輝虎を諌めなんとか事なきを得る・・

という緊迫感に満ちた一幕。

息子の為に命を懸ける気丈な母の越路は

「道明寺」の覚寿

「盛綱陣屋」の微妙

とともに「三婆」とよばれる女方の大役。


最後の花道の引き込みで、

それまで強気な態度で傲然としていた越路が無事に事が済んで

ほっとして手を合わせようとして、

嫁のお勝に見られないようにさっと手を引っ込めて、

安堵の涙が溢れないようにくっと顎をあげるさまは・・

(勧進帳の富樫も同じ仕草をしますが女方では珍しいです)

魁春さまの目は本当に潤んでいらして、

やはり此の場面では泣いてしまいます・・💦

それから

「襲名披露口上」

背景画が「風神雷神」なのです!!

これがいいのです。

建仁寺の俵屋宗達の「風神雷神」と構図は同じですが、

とても現代的なイケメン風の風神雷神は

古典を踏まえながらも新しい風が吹いてくる成駒屋さんの

未来を予感させます。


そしていよいよ

「祝勢揃壽連獅子」

昨年の11月の歌舞伎座での襲名披露興行で新芝翫と息子の3人

での4人で演じられ大変話題になりました。


能楽の「石橋」の「5番目物」に属す曲です。

祝狂言能の「石橋」を題材とした数多くの舞踏は

「獅子物」と言われています。

その代表的な作品の一つが、河竹黙阿弥の作詞、三世杵屋正治郎の

作曲により、明治34年(1901年)に初演の連獅子です。


舞台は文殊菩薩が住む清涼山にかかる石橋・・

我が子を千尋の谷に突き落とした親獅子(芝翫)が駆け上がって来た牡獅子

(橋之助・福之助・歌之助)を何度も谷底へ突き落とします。

疲れて谷底で休む牡獅子たちが花道に並び座ります。

激しい動きの後だからなのでしょう・・

お三方の胸の前にくんだ手が小刻みに震えているのを

拝見するとこちらまでドキドキします。

その場面、牡獅子たちが花道に引っ込んだのを見送る芝翫さん

が一瞬、にっこりと微笑まれ父親としての顔を

覗かせると場内からも溜息がもれます。

心温まる場面です。

そして間狂言を挟んでいよいよ

獅子のかつらの毛を振るう「毛振り」

長い毛を左右に振る「髪洗い」

回転させる「巴」

舞台に叩き付ける「菖蒲叩き」

これも花道横の醍醐味・・

菖蒲叩きの獅子の毛がゆっさゆっさと顔にあたるのです・

祝儀気分に溢れた舞台の余韻に酔う間もなく

有り難い事にまた楽屋へ伺わせて頂きました。

楽屋へ行く前に娘が・・

「化粧室へ行きたい」

私「トイレさっき行ったでしょう。緊張してるの?」

娘「違う。手を洗いたいの。」

私「??」

娘、化粧室で念入りに手を洗い、売店で試供品のハンドクリームを

すりすり・・

娘「握手してもらうの💓」

娘の手を触って・・

私「なんかベトベトよ・・」

娘「洗ってくる!!」

私「早くしなさ〜〜〜い!」


楽屋へ伺う途中・・

あ、連獅子のカツラがこんなところに・・


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娘に「何歳ですか?」と御声かけくださる芝翫さん。

娘「20歳です」

芝翫さん「福之助より1歳上ですね・・」と・・

私は初日に撮って頂いたので父と娘だけ記念撮影を御願い致しました。

(掲載できませんが、左側に歌之助さん、右側に芝翫さん)
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このあと娘は歌之助さんと握手していただき・・

さらに橋之助さんと福之助さんのお部屋まで伺って握手して頂いた娘

は感激のあまり目を💓にして・・

「私、もう手は洗わないの💗」

(いや、手は洗いましょう・・)



さて最後はとても楽しいでも最後はホロットさせられる「幸助餅」

落語の「大黒屋幸助」を題材にしており、昭和50(1975)年1月、大阪中座

藤原寛美が上演して大当たり。

その「幸助餅」を平成17年1月中村鴈治郎が歌舞妓として上演したものです。

物語は・・

相撲取りの雷を贔屓にしたことから、店や家を失って没落した幸助と家族の

様子と真情。

雷の本心を隠した愛想つかし。

その悔しさを糧に再び店を起こし大繁盛させる幸助。

最後に明かされる幸助から受けた恩を忘れぬ雷と幸助が抱き合うシーン

は何度見てもホロリとしてしまいます。

今日は終演後。

更に・・「幸助餅」で関取雷を演じた中村亀鶴さんの楽屋にも伺いました。

楽屋へ伺うと

あれ?亀鶴さんいらっしゃらない・・

何と、亀鶴さん終演後お風呂に入っていらしたのでした。

(博多座には立派なお風呂があるそうです。考えたらなければ困りますよね)

そしてさっぱりとされ、普段着に着替えられた中村亀鶴さんと・・
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亀鶴さんの雷・・圧倒的な存在感。

胸に恩義を秘めたままの愛想尽かしの場面は毅然としていて関取としての

迫力も感じさせ・・

とても感動しました。




さて襲名披露公演も中盤戦・・

これから行かれる方も多いかと思いますが、イヤホンガイドはぜひ御借り

ください。

それから、大学生の娘も85歳の父もとても楽しんでおりました。

どうかご家族揃って博多座に足を御運びください。

幕間にいただく御弁当や売店で買うお土産も楽しく・・

何より襲名披露公演の華やぎはぜひとも体験して頂きたいです✨

忘れられない一夜となる事請け合います。

(私も、密かに後1回は行きたいと画策しているところです💦)



by artstable67 | 2017-06-13 21:17 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
博多座 中村芝翫襲名披露公演初日
時差あり投稿でしかも日時が前後しますが・・

6月2日博多座中村芝翫襲名披露公演初日

昼夜通しで拝見して参りました。

芦屋と名古屋から友人が合流して観劇です。

佐藤可士和氏デザインの祝幕は大阪松竹座の時と同じ物でした。

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午前の部は

「菅原伝授手習鑑 車引(くるまびき)」より幕が開きます。

歌舞伎座の襲名披露公演の初日から大阪松竹座と拝見しておりますが、

菅原伝授手習鑑が最初に演じられるのは、

太宰府(菅原道真)のお膝元の博多座ならではですね・・

ご当地色を演目に取り上げられているのを見るのが毎回楽しみです。

「菅原伝授手習鑑」は「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」と並んで、三大名作

と評される義太夫狂言です。

竹田出雲、並木千柳、三好松洛らの合作により、延享三(1746)年8月、

大阪竹本座で初演された全5段の時代浄瑠璃は、翌月には歌舞伎に移入され以来

上演を重ねています。

物語のあらすじを・・

かつて百姓の四郎九郎が菅原道真に仕えていて、そのとき生まれた子供に菅原道真が

名付けた松王丸・梅王丸・桜丸。

それぞれは成長して松王丸は藤原時平、梅王丸は菅原道真、桜丸は斎世親王の


舎人として奉公します。

しかし、松王丸の主人の左大臣藤原時平は、右大臣の菅原道真を陥れようと画策する。

帝の弟の斎世親王と菅原道真の養女の苅屋姫の密通が露見すると、

是を理由に菅原道真が謀反を企てていると言い立てた為、菅原道真は筑後の國

太宰府へと流罪の身となります。

「車引」は都の吉田神社でのお話。

梅王丸と桜丸が切腹しようかと思い詰めているところへ・・

敵の藤原時平の行列が通りかかります。

その行列の行く手を阻む、梅王丸(橋之助)と桜丸(福之助)。

押しとどめる時平の舎人の杉王丸(歌之助)。

構わず牛車に襲いかかる梅王丸と桜丸。

そこへ現れ二人を止めたのは時平の舎人を務める松王丸(芝翫)

さて・・

2人を止めた松王丸が実は深い忠誠心を秘めていたのは

歌舞妓ファンならよくご存知の「寺子屋」の段で知るところとなります。

松王丸が自分の息子の首を菅原道真の息子を護る為に差し出し首実検

する段です。

いくら恩義ある主君の為とはいえ息子の首を差し出す・・

というのは現代人の感覚からしては到底理解できないのですが、

平安時代と現代の身体感覚を等並みに考えてはいけないのです。

しかし「寺子屋」はそんな価値観と身体感覚の差など軽やかに超えて

共感の涙へと観客を連れて行ってくれるのです。

「菅原伝授手習鑑」を通しで見る事はなかなかできませんが、

「寺子屋」の段を踏まえて「車引」を見ると、より味わい深い物

となります。

さてそれはさておき・・

歌舞妓の様式美に溢れた華やかな・・襲名披露公演の幕開けにふさわしい一幕

に惚れ惚れしたのでした。

それから艶やかな尾上菊之助さんの「藤娘」

菊五郎さんの「彦山権現誓助剣 毛谷村」と続き・・

芝翫さん演じる「天衣紛上野初花 河内山」

江戸城に仕えた表坊主 河内山の物語です。

河内山・・なかなか難しいやくどころだと思います。

お金をだまし取るずるくて汚い悪人の部分と・・権力に歯向かおうとする反骨心。

困った人をほっておけない義侠心・・それら全てを内包したなかなか一筋縄

ではいかない河内山。

人間の多面性を多彩な感情を表現する役所は勧善懲悪ストーリーと違って

御芝居としては観客を巻き込んでいくのは難しいのですが、

私は芝翫さんの「河内山」・・とても魅力的で溜息が出ました。

さて・・幕間に

襲名披露のランチを頂きました。
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「若駒会」でも頂いたオリジナルタオルがついています。

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さて夜の部につきましては

後ほど、レポ致しますね。

夜の部の幕間に楽屋に御邪魔しました。
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「連獅子」が終わったあとの隈取りの儘の・・

芝翫さん歌之助さんと福之助さんとも・・

(芝翫さんと歌之助さんの楽屋は同じお部屋でした。)

三田さん、いつお会いしても可憐です。

同じ年とは思えません💓

(御写真は載せる事が叶いません)


お疲れのところ有り難う存じました。



何度見ても襲名披露公演は楽しみが尽きません。
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  公式ホームページ:http://artstable.jp/
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by artstable67 | 2017-06-09 21:53 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
氷艶2017 破沙羅(国立代々木競技場)
日曜日の事ですが
氷艶 2017 破沙羅

行って参りました。
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「破沙羅」は歌舞伎とアイスショーが融合した

日本初の全く新しいエンターテイメントです。

荒川静香さん・高橋大輔さん

織田信成さん・鈴木明子さん・浅田舞さん

村上佳菜子さんといった一流スケーターと


市川染五郎さん・市川笑也さん

中村亀鶴さん・澤村宗之助さん・大谷廣太郎さん

といった中堅実力派の歌舞伎役者さん

が氷の上で共演するという・・

一体どんな舞台になるのか想像もつきません。

楽しみで嬉しくて日曜日なのに5時に起きて

でも眠くて福岡空港のGATEでぼ〜〜と

してると・・

「山野さんですよね?」

と白いスーツ姿の美しい女性に声をかけられました。

なんと知り合いの女医のNさん!

「今日はお仕事ですか?」とN先生に御尋ねすると・・

「日帰りで氷艶をみに代々木競技場へ」

「え〜〜!!私もですよ〜」

オ〜マイガ〜

福岡から日帰りで氷艶を見に行く

物好きがここにも・・💗

何と言う偶然💗

フライト中はお席は別でしたが、

羽田空港から原宿まで乗り過ごしそうになるくらい

歌舞伎談義に花を咲かせながら

あっという間に代々木競技場へ。

友人と待ち合わせの11:30には日差しも強く暑くて

すっかり汗をかいてしまいました。



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友人と合流して中へ入ると・・

ひんやりしていて気持ちいいです。

(後でだんだん冷えて来たのですが・・)
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あら〜

これってテレビで見た事あるリンクだわ〜💗
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満員御礼。

ムム・・異常に女性率が高いです💦
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ストーリーは歌舞伎の世界では同じ作品で交わる事のない「伽羅先代萩」の仁木

弾正や弁慶と義経や

古事記の神々が入り乱れる荒唐無稽ながらも、

豪華絢爛な衣装と華麗なスケーティング、ライトや映像

音楽も素晴らしく、TAOによる和太鼓の生演奏もあり幻想的で息もつかせぬ

夢の舞台でした。

アイススケートは初めて拝見しましたが、

テレビで拝見するよりずっとスピードがあり目で追うのがやっとでした。

(このスピードでトリプルアクセルとか神業です💦)

私はとにかく荒川静香さんの美しさにうっとり・・

お顔が小さく手足が長く、優雅で圧倒的に華やかなスケーティング。

しか〜し。

わたしが何よりび=====くりしたのは

義経役の高橋大輔さんが登場したときのみなさんの

「きゃ=======きゃ=======!!」

という黄色い叫び声。

スクリーンには花が飛び散ってるし・・


もう何故だか笑うしかなく(だって一緒にきゃ〜って言えないもん)

笑って笑ってお腹が痛くなりました。

そうなのね。

染五郎さんでも織田信成さんでもなく

みなさんのお目当ては高橋大輔さんなのね・・

チケットをとってくださった中村亀鶴さんも弁慶役として大活躍なさっていました。

先月の赤坂大歌舞伎のシリアスな役どころとはうってかわって

アドリブがきいて笑いもとり、演技力も抜群で味があり拝見するたびにファン

になってしまいます✨

歌舞伎役者さんがスケートしながら演技したり、

高橋大輔さんが歌舞伎の舞を舞ったり、

普段、歌舞伎をご覧にならない方も歌舞伎に興味を持って頂ける機会となった

のではないでしょうか😊

終演後は楽屋へも御邪魔し・・

(外に出たらまた暑いこと)


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代々木競技場を後にしました。

それから友人のナビで代官山ヒルサイドテラスで行われている

アペリティフ365へ。


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とっても喉が渇いていたのでまずポメリーのシャンパンで乾杯。
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そこへ友人の顔見知りの方々が偶然現れて・・ご一緒にぱちり。
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向かって左手のブロンドの女性はボダンクララさん。

毎週金曜日フジテレビの「日本どうでしょう?」の番組進行や

伊勢丹でのボンジュールフランスの親善大使を勤めたり、

多方面で活躍されているそう。

右の方はボダンクララさんの双子の姉妹のアレキサンドラさん。

ジュエリーデザイナーをされているそうです。

お二人ともパーフェクトな日本語を話されます。

(お素敵な方々が次々現れ、田舎者の私はドキドキでしたと・・)
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二杯目を手に会場を移動するべく

代官山を歩きシャン。

さっすが代官山。

歩きシャンしていてもだれも一瞥だにくれないのだ。

おそるべし代官山。

余韻も酔いも冷めぬままに空港へ

ちゃんと10時前には帰宅して

「しくじり先生」を見ました。

その夜は何故だか

「トウーランドット」のメロディーにのって、

華麗にスケーティングしている夢を見たのでした。



by artstable67 | 2017-05-23 22:32 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
赤坂大歌舞伎 夢幻恋双紙 赤目の転生(TBS赤坂ACTシアター)

「赤坂大歌舞伎 無幻恋双紙 赤目の転生」千秋楽を見て参りました。
会場のTBS赤坂ACTシアターは赤坂サカスにあり・・
初めて足を踏み入れました。

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こちらはTBSさんのお膝元・・
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青空に登り旗が映えます。
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会場前から行列ができております。
連日満席御礼の大人気の舞台。

赤坂大歌舞伎とは・・


2008年に18代目中村勘三郎さんの「芸能の街・赤坂で歌舞伎を・・」という一言から

始まり、「初めてご覧に慣れる方にも楽しめる歌舞伎を・・」

をコンセプトに今回で5回目を迎えるそうです。

中村勘九郎さん・中村七之助さん・中村亀鶴さんなど若手実力派の
役者さんと、あの「世界の中心で愛を叫ぶ」をはじめとする舞台・テレビドラマの脚本

演出などを担当し、平成21年に第53回岸田國士戯曲賞・第20回鶴屋南北

戯曲賞を受賞されている

蓬莱竜太さんの脚本・演出による

全く新感覚の現代歌舞伎です。

会場に足を踏み入れると・・

円形の会場ですので当然中も円形・・

また、坂の上に入り口があるので

入り口から入ったら1Fまで階段を下りていくという不思議な構造。

こういう非日常のアプローチから今から始まる

舞台への期待が高まります・・
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劇場内はもちろん花道もなく・・

幕は黒茶白。
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お弁当を座席で頂きます。


とっても美味しい寿司弁当でした。

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さて物語は・・

中村七之助演じる絶世の美女「歌」との恋を成就するために

何度でも転生する中村勘九郎演じる「太郎」と

それを取り巻く、「剛太」「末吉」「静」

(お気づきかと思いますがこのネーミングは ドラえもんのパロディーですね)

そして中村亀鶴演じる、いつもお酒をあおり後ろ暗い仕事に手を染めている 

「歌」の兄「源乃助」。

彼らが、「太郎」の生まれ変わりの中で関係性を変えながら物語は

進行していきます。

全てのお芝居はそうなのですが、この物語ほどネタバレしてしまうと

観る方の喜び?恐怖?を奪ってしまうものはないので書きませんね。

千秋楽で終わってしまいましたが、

絶対再演してほしい名作だと思います。



日本の劇場でスタンディングオベーションを経験するとは思いませんでした💦




観客は日常は見ないようにしていた見てはいけない深淵を覗き込まされ、

嫌でも心の奥底に沈んでいる自分の本当の感情に向き合わされたまま

突き放されます。

如何に人間は己の都合のいいことだけを見て考え、

見たくない物を捨て去っていたのか。






これは「恋」の物語


結婚している人は逃げ出したくなり・・

恋人を捨てた人は恐怖におののき・・

恋人に捨てられた人は転生を夢見て・・

浮き名を流しすぎている人はたった一人を想いたくなり・・

仕事に明け暮れている人は、

誰か愛しい人の元へ走っていきたくなる



「気持ちが通じているだけではだめなんだ」

という歌の兄の忠告も忘れて・・




今回もご縁あり中村亀鶴さまの楽屋を訪問させて頂きました。

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亀鶴さまの右目、傷跡がありますでしょう?

この傷がこの物語のキーとなるのです。

ラストでこの目の傷の理由を知ってしまった観客は一気に奈落に突き落とされます・・



亀鶴さまの源乃助本当に凄かったです。

そして、ラストで見せる七之助さまの色っぽさはのなんと罪深いこと・・


「赤坂大歌舞伎 夢幻恋双紙」

再演の折にはぜひ、

いえ、絶対 ご覧くださいね・・


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by artstable67 | 2017-04-28 00:40 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
第38回 俳優祭へ(歌舞伎座)
3年に一度歌舞伎座で行われる、第38回俳優祭へ行って参りました。
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俳優祭とは・・

歌舞伎役者の相互の親睦と福利厚生を計る事を目的として昭和32年に発足した日本俳

優協会さんの主催で行われる歌舞伎役者さんオールスター出演・・

実行委員の若手役者さんが中心になって企画した模擬店があり、

まさに「歌舞伎の文化祭」のような夢のような一日です。

こちらが出演者の一覧です。

オールスター出演です・・✨

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こちらがすじがき
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最初に舞踏があり、

役者さんによる模擬店、

と〜っても楽しい 「かぐや姫 歌舞伎バージョン」へと続きます。

そして、今回は俳優祭の前に・・

生まれて初めて歌舞伎座の楽屋へ御邪魔しました・・

(ドキドキ・・)

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楽屋口を入ると、下足番の方がいらっしゃってスリッパをささっと出して来て

くださって、脱いだ靴もすぐに預かってくださいます。

今回は・・

中村鶴亀さまのお部屋を訪問致しました。

(鶴亀さまとの写真)

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中村鶴亀様の父方の祖父は四代目中村富十郎で

初代中村鶴亀の長男であり、

祖母は初代中村鴈治郎の娘の中村芳子・・

という御曹司の血筋。

「錦絵のような・・」

と言われる美しい面差しとそのオーラにとても緊張してしまいましたが、

とても気さくで気配りをなさる御優しい方です。
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さていよいよ、舞踏から始まります。

「二つ巴」二つ巴は大星家(=大石家の家紋)の題名の通り

「仮名手本忠臣蔵」が題材です。

前半は7段目「祇園一力茶屋の場」

華美な衣装も装置もなく、扇一本で舞う 中村芝翫さんの緊張感溢れる華のある

お姿に目を奪われます。

後半は11段目の討ち入りの場面。

息の詰まる立ち回り。

続く「石橋」は能の「石橋」(文殊菩薩が住まう中国・清涼山、千丈の谷に架かる

幅一尺の意志の橋の上で霊獣・獅子が牡丹の花と戯れ舞い狂う)

をベースに作られた「石橋物」と言われる歌舞伎舞踏のシリーズのひとつです。

この獅子と牡丹の取り合わせは古来から縁起物として日本人が大変好んだとか。



しかし・・本日たった一日の為だけの舞台ですので当然イアホンガイドがありません。

オールスターで豪華な顔ぶれの筈ですのに、

どの獅子が誰なのやら分からず・・

ともあれとても華やかで艶やかな舞台でした。


さて、いよいよ・・

おそらく俳優祭に来られるお客様が最も楽しみになさっているのが・・

なんと歌舞伎役者自らが売り子になって、

俳優祭限定グッズや焼きそば・ホットドッグ・おでん・焼きそばなどを

売られる「模擬店」

素顔の役者さんと触れ合う事の出来るファン垂涎の催しです。

当日の筋書の中に

模擬店の地図が挟んであります。

これを見てお目当ての役者さんの売り場を確認して、

ダッシュする?優先順位を考えます。


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舞踏が終わると坂東亀三郎さまによる

注意のアナウンスがありますが、それが終わるか終わらないかのうちに・・

皆様、お目当ての役者さんの売り場へとダッシュされます!!!

「立ち止まらないでください!」

「並んでください!」

「押さないでください!」

関係者の方々の悲痛な?声が行き交います・・

すごい熱気で暑いこと暑い事・・


3階のお食事どころ「花籠」はこの日はさながら学園祭のお弁当売り場

と化しておりました。
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まずは先ほど楽屋でもご挨拶させて頂いたのですが、

中村芝翫様の元へ・・

お稲荷さんを購入するとどなたとも気持ちよく撮影に応じてくださいます。

(いつも本当に御優しい)

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三男の歌之助さんと
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御次男の福之助さん
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ご長男の橋之助さんとツーショットをとれば「成駒屋」さん

制覇でしたが、

次ぎの舞台の準備かお姿が見えず・・

休憩中の

坂東亀三郎さまと・・
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それから七之助様のところへ参りましたが・・

近寄れません💦

遠くから撮影するのみ。

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市川中車さん(香川照之さん)から

俳優祭限定Tシャツを購入しました。

(皆さんが着ていらっしゃるTシャツです)
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2階の吹き抜けから1階を望むと・・

海老蔵さんと愛之助さんの売り場に人だかりが出来ています。
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ちなみに限定Tシャツは瞬く間に売り切れたそうです。

1時間の模擬店タイムもあっという間に終わり、

後半の「月光姫恋暫」(歌舞伎版かぐや姫)が始まります。

恋ダンスのパロディーなど流行を取り入れたり、かぐや姫の母親役の海老蔵さまが

ピンクのつけまつげをしていたり・・

会場のあちこちから笑いが起こり、私達もお腹を抱えて笑ってしまいました。

あっという間に楽しい時間は終わりましたが、

1階ロビーでは最後まで福之助さんら若手が「筋書」を売っていらっしゃり、

それを写真におさめようとする人だかりが・・
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ライトアップされた歌舞伎座を後に、

アフター俳優祭も友人達と場所を変えて

先ほどの余韻の儘に盛り上がって、忘れられない夜となりました。

ご縁を頂きありがとう存じました。



この俳優祭の様子は

NHK Eテレで放送されるそうです。

2017年4月30日(日)21:00〜

ご興味ある方はぜひご覧ください💗
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by artstable67 | 2017-04-02 02:10 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
寿 初春大歌舞伎 中村芝翫襲名披露(大阪松竹)
大阪松竹にて 寿 初春大歌舞伎(中村芝翫襲名披露)夜の部を見て参りました。




大阪松竹座は・・
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なんと・・・
道頓堀の真ん中にあるのです。

開場前の様子です。




そして入り口入って直ぐはメインロビー階。

迎えてくれるのはフランス人画家ベルナール・ビュッフェの絵画

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2階に進むと
絵馬
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祝い幕デザイン縮小モデル
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剣菱さんの祝い酒
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一階席がなんと3階にあるという構造です。

エスカレーターで3階まで登っていきます。

夜の部は歌舞伎座での襲名披露公演に引き続き、こちら大阪松竹でも花道横のとてもいいお席を取って頂き感謝しております。


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歌舞伎座に引き続き、祝い幕のデザインは佐藤可士和さん。

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トリコロールで伝統とモダンさの融合を感じます。

佐藤可士和さんと奥様の佐藤悦子さんとお話しさせて頂きました。

気さくで気を逸らさない素敵な方です。

(とっても素敵な奥様の佐藤悦子さんと・・)




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夜の部は「襲名口上」もあるのでもちろん満員御礼。

新春に相応しく「鶴亀」の縁起の良い舞から幕開けです。

それから「襲名口上」

歌舞伎座に引き続き、何度拝見してもまた新春と言う事もあるのでしょうか・・

拝見する観客にも清々しい覚悟が伝わって参ります。

今回何より感動しましたのは・・

「勧進帳」

「勧進帳」は歌舞伎の18番ですので、今更説明の必要もないかとは思いますが・・

7世市川團十朗により、天保11(1840年)三月、江戸河原崎座で初演され、

その後、九世團十朗が洗練して、今日の歌舞伎の人気演目の代表格として

上演を重ねています。

能の「安宅」を素材として作られており、歌舞伎の「松羽目物」の最初の作品

としても知られています。

あらすじは・・

「権勢を誇った平家一門は、壇ノ浦之合戦で源氏に敗れて滅亡した。

平家を討ち滅ぼすという大きな戦功を立てた九郎判官義経であったが、

その活躍があだとなり、謀反を企

んでいるなどの讒言をされるに至った。

そのため、兄の源頼朝に嫌疑をかけられた結果、

山伏に姿をやつして都を落ちた義経は

藤原秀衡を頼って奥州平泉を目指す。

その事を知った頼朝は、各地に新たに関所を設けさせ、

山伏姿の義経一行を捕らえるように厳令を下した。」

(以上 「番付」より。)

今回、大阪松竹で一番驚いたのは「筋書」を「番付」といって売っていたことです。

南座と大阪松竹では「筋書」を「番付」と呼ぶそうです。

(相撲のようですね)

さて、見所は加賀の安宅の関を守る関守 富樫左衛門(仁左衛門)と

山伏姿に扮した芝翫さん演じる武蔵坊弁慶の息をのむやり取り・・

そして白紙の勧進帳を弁慶が朗々と読み上げる有名な場面。

咄嗟の判断で主君 義経(魁春)を打ち据える弁慶とその心意気に感じて、


切腹覚悟で見逃す 関守 富樫左衛門。

不運を嘆く義経と。

忠義・判官贔屓・武士の情け

と日本人の琴線に触れてくるストーリーに加え、

幕が引かれた後の 弁慶の「飛び六法」という花道の引き込みまで、見所満載。

役者さんにとっても大役であれば、観客にとりましても、息つく暇もなく手に汗、

目に涙の演目です。

ご一緒してくださった芦屋マダムのお父様が昔、

素人顔見せを南座にて「勧進帳」の弁慶を演じられたことを思い出されて

・・美しい涙を浮かべていらしたのを拝見して益々胸がいっぱいになりました。


芝翫さんの弁慶も気迫が凄くまた仁左衛門さんの富樫は清々しく品がありました。

「飛び六法」で花道を引き込んでいかれる芝翫さんのお顔に瀧のように流れる汗を

拝見するに・・

正に魂をこめてこの舞台を演じられたのだと鳥肌がたちました。

(余談ではありますが、到底不可能に思われた安宅の関を義経と弁慶が通過した事

から、安宅の関のあった安宅住吉神社は「難関突破の神様」

として受験の神様として大変御利益があるそうです。

折しもの受験シーズン。

きっと、「安宅の関」は賑わっているのでしょう。)


このように緊張をしいる演目の後は少し肩の力を抜いて楽しく拝見出来る演目

が来るものです。

最後は「雁のたより」

江戸文化の爛熟期の文化文政期に上方で三世中村歌右衛門が金澤龍玉の名で

筆をとった「けいせい雪月花」がもとになっています。

まさに上方らしい演目で演出の端々に「上方らしさ」が散りばめられていて、

幕間に耳にする、大阪弁や京都弁がまた心地よく銀座の歌舞伎座とはひと味も二味も

違う趣があります。

「上方らしさ」・・について一つ例を挙げますと・・

「雁のたより」の中で、芝翫さんがちょっとした端役で出演されるのですが、

(大物の役者さんが端役でちょっと顔を出される事を「ご馳走」と言うそうですが
その芝翫さん演じる色っぽい若旦那さんの役どころは上方ならではで

「すっころばし」というのだとか・・

「雁のたより」は舞台も有馬温泉ですし、笑える場面もたくさんあり・・

緊張も一気に溶けて・・

これは大阪松竹でしか拝見出来ない上方らし

さ満載のとても楽しい演目でした。

さて、終演後、松竹の外に出ると雪が降って来ておりました。

ライトアップされた大阪松竹。

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松竹は道頓堀の真ん中・・
正に「コテコテ」の大阪のど真ん中に鎮座しているのです。
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同じ、中村芝翫さんの襲名披露公演も上方で拝見すると、風土、方言、歴史すべてが

東京とは違うリズムと空気感を作り上げ、人情味溢れるお芝居を堪能した夜でした。

ご一緒してくださった皆様と別れ難くありましたが、道頓堀の夜景を背に・・

凍てつくような寒さの中・・新大阪駅へ急いだのでした。

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by artstable67 | 2017-01-15 07:00 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
若駒会(ホテルオークラ東京別館)
ご縁あって、若駒会に出席致しました。

若駒会とは10月に親子4人同時襲名をなさった成駒屋さんのご子息3名(四代目中村橋之助・三代目中村福之助・四代目中村歌之助さん)を応援する会の事です。

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会場となったのはホテルオークラ東京別館。
本館が改築に入ってしまい、クローズされておりました。

ホテルオークラ東京の本館は20年以上前に友人の結婚式で訪れたきりでしたが・・
「日本の工芸美が集約されたホテル」として内外の評価が高く、改築される事を惜しむ声も・・

オークラの設計に当たっては、ロビー・オーキッドルーム・オーキッドバーを担当したのは谷口吉郎氏(主な作品に帝国劇場・東京国立近代美術館・イサムノグチと協働した慶應義塾大学第2研究室など。)
小坂秀雄(郵政省建築部長/外観・平安の間・千歳の間)
清水一(大成建設設計部長/和風宿泊室)
他にも・・そうそうたる面々の名前が見られます。

フランクロイドライト設計の帝国ホテルもそうでしたが、古くても美しいものをどうして改築する必要があるのか・・・手入れして使う事が出来なかったのか・・と惜しまれます。

しかし別館にも友人のMさんが本館のオークラジャパニーズモダンの名残を見つけて教えてくれました。

それがこちら・・
オークラランターン
の呼び名で親しまれる照明です。
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こちらは切子卵型という古墳時代の装飾玉のひとつで、水晶の結晶の上下を切り落として磨き上げたものにモチーフを得たとか。

本館 宴会場「平安の間」の壁面は柿本人麻呂らの和歌を纏めた36歌仙の料紙の箔・重ね継ぎ・破れ継ぎなどの継ぎ色紙がもとになったもので大変雅やかで美しかったものです・・

少し、ノスタルジックな佇まいのオークラ別館にて、、
八代目中村芝翫さん、三代目中村橋之助さん、三代目中村福之助さん、四代目中村歌之助さんを囲んでの茶話会です。

サンドイッチ・スコーン・ペストリーを頂きながら、親子4人のトークセッション形式でお話が進みます。

とても印象深かったのは・・

若手三人が小さい頃から、日々の遊びの中で・・

筋書きを作ったり・・そこに載せる広告を考え、役者の配役も自分たちで考えて

チラシを作り・・

何より四代目歌之助さんがプレゼントとして「首実検」用の「首」を欲しがり、
もちろん生首は用意出来ないので、床屋さんでカットモデル用のマネキンの首をもらって、そこに顔をかいて「首実検」を演じてみたというエピソードをお聞きして・・

(「首実検」とは10月の歌舞伎座での襲名披露講演の「熊谷陣屋」でも出てくる場面ですが、写真のなかった時代に、部下が討ち取った首が本物であるか大将が確かめることをいいます。)

梨園の御曹司として生まれて、さぞやプレッシャーをと思いきや、実に楽しみながら兄弟和気あいあいと歌舞伎に親しみ楽しんでこられ、なるべくして役者さんになられたのだと感心する事しきりでした。

トークセッションの後・・

4人で各席を回って来られ、一人一人記念撮影に応じてくださいました。

(こちらは掲載はできません)

あまりに嬉しく夢のような時間でした。

お土産
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20歳になったという事で一緒に参加した娘も・・

「何だか夢でも見てるみたいだった・・💓」

といつまでも興奮冷めやらぬ様子でした・・

末永く、若駒会にて芝翫さんと若手お三方を応援したく思いつつ、夢見心地に空港へ

急いだのでした。

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by artstable67 | 2016-12-21 01:53 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
8代目中村芝翫襲名披露 歌舞伎座 初日
八代目中村芝翫襲名披露 歌舞伎座にて初日を昼夜通しで拝見しました。
5月の襲名披露パーティーから成駒屋さんにご縁があり、嬉しくも有り難い限りです。


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歌舞伎座前はメディアや開場を待つ方々で混雑しています。

佐藤可士和さんデザインの成駒屋さんの紋入りの祝い幕


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前から三列目の花道横・・という素晴らしいお席✨
本当に感謝です・・

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花道の此の場所で・・
「女暫」の七之助さんの巴御前がもう目の前でどっかり座られて・・
間近に拝見したのですが、
あの蒸し暑い日にあの衣装で汗ひとつ見せず、美しく潤んだ目・・

もうノックアウトでございました。

夜の部の口上でも一際滑舌よく品がよく華があって、本当に大好きな役者さんです。


幕間(これはまくあいと読むそうですよ)にはこの公演のために特別に準備された「襲名御膳」を頂きました。
襲名の4人のお好みが献立になっています。

卵焼きや唐揚げ・・
(ちょっと親近感が😊)


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幕間は30分。
急いで頂きます・・💦

夜の部は襲名口上があるので人気のようですが、個人的には昼の部がとてもよかったです・・

初日、昼の部のスタートは

「初帆上成駒宝船」

この演目は
四代目中村橋之助さん、三代目中村福之助さん、四代目中村歌之助さんの襲名を祝い、

絵画、木版画などを手がける現代美術家の山口晃さんと

寛徳山人さんによる作詞

鳥羽屋三右衛門さん作曲による

まさに、この3人の為の書き下ろしの新作舞踏です。

幕が開くと舞台芸術が素晴らしいのです。

スカイツリーや現代の歌舞伎座が描かれていたり。

その舞台芸術を扇子にしてご贔屓さんに配布されたのがこちらの扇子。
(注・こちらは非売品になります)

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裏は・・
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次の幕間には芝翫夫人ともお話しさせて頂きました。

とても若々しく魅力的で気を逸らさない素敵な方です。

お子様方のことを・・

「もう部活動みたいに毎日稽古に行ってるんですよ〜」とおっしゃっていらしたのが印象的でした。

サポートさぞ大変でいらっしゃることでしょう。

応援しております✨
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昼の部のメインは何と言っても
「播随長兵衛」

男気があって皆に慕われて、

「敵ながらあっぱれ・・」

といわれ我が身を呈して死んでいく・・・

芝翫さんの長兵衛とても格好良くて

惚れ惚れしてしまいました。


夜の部は何と言っても・・

襲名口上です!

「隅から隅までずず〜〜と・・」で締められる口上は

実に晴れやかで、此の瞬間が特別な祝いの瞬間であることに鳥肌がたちました。



夜の部の「熊谷次郎直実」は(此の話しは我が子の首を刎ねるので)なかなか重たいのです・・

(実は先週も歌舞伎座にいっておりまして、「妹背山女庭訓」では敵対する家がお互いの子供の首をはねる・・という重たい話しでしてそのあと、楽しい「らくだ」
締めくくりは玉三郎さんの華やかな「花見踊」でした)


今月は熊谷次郎の重たい話を玉三郎さんの

「藤娘」の圧倒的に美しい舞台で締めくくり・・

(幕が開いた途端に満開の藤・・艶やかなことこの上なしでした)



夜の部が終わって、外に出ると・・

ライトアップされた歌舞伎座が妖しいまでに美しいのです・・

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華やかで少し切ない余韻に浸って帰路につきます・・



博多座公演も楽しみにしております。

皆様、ぜひご一緒しましょう。

歴史に残る貴重な襲名披露公演の初日を通しで拝見出来て本当に感謝しております。

成駒屋さんの益々のご発展を祈ってやみません・・
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by artstable67 | 2016-10-03 23:51 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
  

食空間プロデューサーの山野舞由未です。福岡市内で紅茶とテーブルセッティングの教室を主宰
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