3年ぶりに中村芝翫さんが博多座にお越しとのことで生徒様をお誘いして初日に昼夜通しで見てまいりました。
今回の博多座の演目は昼夜共に素晴らしくてぜひ昼夜通しでご覧になることをお勧めします。
(お尻が痛くなりますが・・💦)
夜の部終演後、「ひるおび」の撮影終わり駆けつけてくださった三田寛子様と楽しく歓談させていただきました!
(8月歌舞伎座で歌之助君が初主演される手塚治虫さんの作品を演目にされた「新撰組」皆様もぜひご一緒しましょう☺️)

三田寛子さん、お疲れのところありがとうございました。
演目
昼の部
一・橋弁慶
二・鷺娘
三・義経千本桜 すし屋
夜の部
一・魚屋宗五郎
二・積恋雪関扉
橋弁慶・・
いわゆる「判官贔屓」の義経伝説に関わるモチーフ。
歌舞伎には「平家物語」や「義経」にモチーフをとった演目がたくさんありますが、オープニングにふさわしい華やかで躍動感ある京都五條の橋を舞台にした一幕でした。
ここでイヤホンガイドの「ここで牛若丸(もとい義経)」は生まれ変わっても切れることない深い縁で結ばれた弁慶という家来をえたのでした・・」という言葉にはっとしました。
江戸時代の価値観については過去ブログにも書いてきましたが「お家フォースト」。
個人の命よりお家の存続の方が大事・・という価値観であります。
それをもっと違う側面から見ると「SNS」のない時代だからこその深淵で美しい因縁と情の世界・・とも言えるのではないでしょうか。
先日「マツコ会議」に出演されていた巳之助さんと苔玉さんが若いけれどSNSはしない。。と
その理由はSNSと歌舞伎の世界観が違いすぎるから・・
というようなことを言われていて、そのことと「生まれ変わっても・・」がスッと結びついたのです。
鷺娘
菊之助様の鷺娘の妖艶で美しいこと・・
たった一人で一幕を演じ切る華にもただただ圧倒されました。
義経千本桜 すし屋
すし屋が博多座で演じられる日が来るなんて・・
「渡海屋大物浦」は華やかでエンターテイメント性も高いのでよく演じられるのですが「すし屋」は難解な部分も含み
地方の劇場ではなかなか演じられることがなかったように思います。
こちらも「平家物語外伝」「判官贔屓の義経もの」
美形でほまれ高かった平維盛は史実では入水自殺をしていますが、実は生きていたのだ・・
という設定の中、江戸時代の人々の価値観・美意識が凝縮されたような一幕です。
菊五郎さんの老獪な権太の凄みも「もどり」のくだりも・・涙なしでは見れません。
(うちの生徒は違うところに目が釘付けだったようですが、、ここには書けまっせん❗️
みなさま博多座へ足をお運びください)
親に勘当された放蕩者のいがみの権太が、親の恩人である平維盛を助けるため自分の妻子を差し出し、その思い虚しく父親に「裏切り者」
と刺し殺されてしまうというやるせなさ。
しかし義経は維盛の父重盛に恩があったため最初から維盛を助けるつもりだったというオチ。
組織の中では結論は決まっていて、その中でただ無駄に命を落としていく庶民のやるせなさという中々「空恐ろしい」
演目なのであります。
かつて南座でこの段を拝見したときこれが博多座で演じられたら・・と願っていたのですが、
いやいやありがたいことです。
夜の部
そろそろかなり痛くなってきたお尻・・
座る向きを微妙に変えながら・・
魚屋宗五郎
待ってましたの「河竹黙阿弥」様!!!
河竹黙阿弥の七五調が聞きたくて江戸っこ言葉が聞きたくて歌舞伎座に足を運んでいたけれどこちらも博多座で
聞くことができ感謝感激。
中村芝翫さんの「魚屋宗五郎」はもう4回ぐらい観ましたが、菊之助さんの宗五郎は初めてでしたがこちらはまたまた新鮮でした。
鷺娘からガラリと変わってのいなせな江戸っ子役に目が釘付けでしたし
「酔って言うんじゃありませんが〜〜」の有名なセリフもまたまた芝翫さんとは全く違う趣です。
恩愛の情感たっぷりの芝翫さんの宗五郎も好きですが菊之助さんのギラギラっとした感じの宗五郎も終始胸がドキドキしました。
積恋雪関扉
こちらの演目は初めて観ました!
舞台はなんと平安時代。
六歌仙の歌人の小野小町や僧正遍照が登場するのですが、衣装や背景は江戸時代・・
と言うこれ又奇想天外な趣向。
中村芝翫さんの大伴黒主が舞台の上で化粧する珍しい趣向や最後の小町桜の精との華やかで躍動感ある美しい型や見栄・・
切にふさわしい演目でこれまた大々満足でした。
(夜の部は後日また観にきますのでゆっくり復習したいものです)
余韻覚めやらずうちに、三田寛子様とのしばしの歓談の時間。
(写真は撮影の時だけマスクを外しております)
それからレストランsolaさんへ移動して楽しい打ち上げを・・
生徒様が何とサプライズを用意しててくださり真っ白なブーケを・・
ヴェルデコの板屋麻美先生のブーケ素敵すぎます・・❤️
いろいろな事がコロナ前に戻りつつありますね・・
この平和な時間が長く続きますように・・