先週の土曜日、渋谷のBumkamura ミュージアムを後にして足早に向かった先は国立西洋美術館

こちらに伺った目的は・・
驚いた事に・・
先日投稿したロンドンのクリスティーズでアジア風のコレクターによって11億円で落札されたフェルメールの聖プラクセディス、国立西洋美術館に寄託されていたので・・
それを観るためです。
ほとんどマスコミなどで取り上げられる事もなくひっそりと3月から常設展で公開されています。
こちらの作品、先月の投稿でも書いていますが、フェルメール作品か否か長い間論争が繰り広げられていたのですが、アムステルダム国立美術館とアムステルダム自由大学の白色の顔料の科学判定で、フェルメール作品である・・との可能性が限りなく高い・・いやまさにフェルメールの作品だとも言われたのですが・・
異論を唱える美術史研究家が多数いるとかで・・
そもそも聖プラクセディスはオリジナルはイタリアのフェリーチェ・フィケレッリによるものです。それを歴史画家をめざしていた初期のフェルメールが模写したものではと言われています。

右がフェリーチェ・フィケレッリのオリジナル
左がフェルメール模写されたといわれる本作品「フェルメールに帰属」の文字が見えます。
フェルメール作に異論を唱える修復家ヨルゲン・ヴァドムによると、
模写ならば手前の重要なモチーフから画面奥へ順番に描いて行くのに対し、こちらはそういった手順で描かれていないと・・確かに画面手前の壷はよく見ると左の取手などの部分が赤い衣の上に描かれており赤い衣が先に描かれた事がわかります。
こうしたことから、本作こそがフェケレッリのオリジナルであるという見解を示しています。
フェルメールの初期作品については、残存する資料が少なく多くの事が謎に包まれています。
いつか、聖プラクセディスが「帰属」などどいう曖昧な表現から解き放たれる日がくるのでしょうか。
さて、「彼女」との対面にドキドキしながら・・
前日に国立新美術館でフェルメールの真作である「天文学者」を見たばかりの状態で訪れた国立西洋美術館常設展。
「天文学者」の人だかりに比べて「聖プラクセディス」の前には立ち止まる人も僅か・・・
生々しい・・
この絵を見た第一印象でした。
ドレスの色も聖プラクセディスの頬の色もとても赤く、血のしたたる布を絞る手元からも生々しい印象がぬぐえません。
ですが・・
美術史研究家でもなんでもないただのフェルメールファンとしてですが
この作品は やはりフェルメールだと思うのです・・
それは前日の「天文学者」にも見た左上からの光が右下に向かって深く差し込んでいるかのように見える光の表現が「天文学者」と全く同じだ・・
と感じたからです。
真作か否かよりこの絵画の悲しみは・・
日本人かと思われる「アジア風のコレクター」が11億円で落札しながらもこれを手元に置かず手放したことではないかしら・・
そんなことを考えながら新緑の美しい上野公園を後にしました・・

皆さんも機会があればぜひご覧になって意見を御聞かせくださいね。