芦屋のW邸での薔薇のお茶会の後、ヨドコウ迎賓館の夜間見学会に行って参りました。このヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)はあの帝国ホテルの設計士として名高いフランク・ロイド・ライトの設計によるものなんです。こちらがフランク・ロイド・ライトフランク・ロイド・ライトについては説明の必要もないかもしれせんが・・
日本では帝国ホテルの設計士として名高いのですが、
アメリカ合衆国出身。
シカゴを中心に、合衆国中西部の草原地帯で、大地に根を張り、大地から生えたような自然と一体になる、豊かな生活を保障する草原住宅を提供し続けた建築家です。
住宅作家であった、フランク・ロイド・ライトがなぜ帝国ホテルの設計で招かれたかの経緯は詳らかになっていはいないそうですが、
そのおかげで、帝国ホテルのみならず、
(帝国ホテルの支配人だった)林愛作邸、地震で消滅した福原有信邸、さらには自由学園、そしてこのヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)までもが日本に残された意義は大変大きいと言います。
ヨドコウ迎賓館は灘で酒造業を営んでいた素封家の山邑家の別荘として依頼されたそうです。
ヨドコウ迎賓館へのアクセスはなかなかドラマチック。
阪急電鉄の駅から六甲山系の緑の崖を見ながら、ロイド坂といわれる急な坂をアプローチするところから始まります。
すぐ下の駐車場までW様に車で送って頂いたのに、グローブ・トロッターのガラガラを重そうに引いていたら、ご一緒してくださる優しいMちゃんが、ささっと手袋をして荷物を引いてくださったほど・・
(Mちゃん、ありがとうございました。)
駐車場から山邑邸までのロイド坂は急なのです💦
しかも門をくぐってからも車寄せまでが長い・・
右手に迎賓館を眺めながらようやく入り口へ。
あれ?
この大きな迎賓館に比して小さな入り口ではありませんか!
これは中に入った時広さを感じさせるための演出だそうです。
中に入り、大谷石(この栃木県産の石は帝国ホテルでも使用されていたもの)
の階段を上ると最初の応接室へ。
ナイトツアーで館員の方のガイド付きです。
壁に大谷石が沢山使われているのがご覧になれるかと思います。
夜のライトアップツアーのよさはそれらの彫刻の陰影のコントラストを楽しめる事だそうです。
とても幽玄で美しいです・・
本当に、ヨーロッパの古城にでもいる気分です・・
木もふんだんに使われていますね。
応接室から芦屋の街が一望・・遠く大阪湾まで見渡す事が出来ます。
こちらの照明はコンランショップなどでも購入できる「タリアセン」
ロイドは建築物に合わせ、家具も作っており、コーヒーテーブルや照明は日本でも購入可能です。
階段型の照明は我家でも愛用しています。
(ちなみに、ロイドの自宅兼設計事務所も「タリアセン」といい、ウエールズのアーサー王物語にでてくる騎士の名前だそう)
正面に見えるのは大谷石の暖炉。
三階に移動します。こちらは山邑氏の書斎だったところ。家具もライトの設計です。四階に行くと食堂があります。
この食堂がまるで礼拝堂のようなシメントリーなデザインなのです。
食堂の天井食堂からベランダに出ると・・
絶景が広がります。
暖炉の煙突が中世ヨーロッパの尖塔のようにもみえ、どこかゴシック建築を彷彿とさせます。
このベランダは2段階になっていてさらに下におりていきます・・眼下に広がる夜景、下には芦屋川が流れ川音が聞こえ、左手には六甲山系の緑がうっそうと茂っています・・・・何と贅沢な!!
この地まで電気が引かれてなかったので、阪急電鉄の電気をひいてきた・・と聞いたときもいやはや生半可な財力や人脈では建てられた建築物ではないのだと感心したのでした。
W邸の薔薇のお茶会から始まり、夜のヨドコウ迎賓館まで・・計らずも、国際観光文化都市に指定され、高級住宅街として名高い芦屋市の豊かさを存分に堪能した1日となりました。
先端のベランダから迎賓館を振り返ってみたところ。昼間のヨドコウ迎賓館。
地形にとけ込むように設計された、ヨドコウ迎賓館。
ヨドコウ迎賓館、11月から2年間の修復のため閉館されます。見学希望のかた、お急ぎください。
フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルが老朽化を理由に取り壊されしまった後、ロイドの建築がこんなに完成度高い形で見る事の出来る希有の建物です。
誘ってくださった、Mちゃん。貴重な情報をありがとうございました。
今度は愛知県の野外博物館「明治村」にある帝国ホテルのロビーの再現されたものを見に行きたいと思います。
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