こちらの宿泊客はほぼ全員 こんぴら歌舞伎の為に泊まられているそう。。
外国人観光客の姿もちらほら。
お宿から金丸座まで歩いて10分位です。
10時半開場ですので、10時10分頃ゆっくりと出発です。
金比羅さんへの参道を登ります。
雨が降りだしそうなお天気…
白い藤が咲いています。
着きました!!
思っていたよりこじんまりとした印象です。
金丸座の前には、お弁当やお土産を売っているお店が沢山並んでいます。
コンピー君のついた海老せんべいや醤油豆を買いました。
お弁当は三越特製のものを購入。
午前と午後と通しで観劇します。
記念にパチリ💗
入場は背をかがめて右下の狭い入り口から・・
江戸時代もこのようにして入場していたそうです。
午前の部は枡席。
一枡に5人座るのですが、我が家は5人用を一枡買い上げ4人で座りましたがそれでも足も延ばせず、狭い事・・
おそらく5人用の枡を3人で座ったら丁度良いと思います。
江戸時代の人はきっと体が小さかったのですね・・
膝掛けを配ってくれますが、外が寒かったので冷えてきてみなさん寒そうでした。
ここに5人で長時間は大変です。
話は脱線しますが・・
イギリスのシェイクスピアの故郷、ストラットフォード・アポン・エボンを訪れたときに
観劇したときのこと。
昔は狭い客席で暖房もクーラーもなくすし詰めで立ちっぱなしで観劇していたという話を聞きました。
それでもテレビも他に娯楽のない時代の庶民には大変な楽しみだったそうです。
そう・・!
江戸時代の庶民になったつもりでここは楽しまねば・・😊
下の写真。
着物を着ている女性は「お茶子さん」
お茶こさんが座席に案内したり、ゴミを回収したりお世話をしてくれます。
天井の木製の梁が美しいですね。
イヤホンガイドはもちろんなくて筋書のみです。
前から三枡目なのでとても良いお席でした。
いよいよ幕が開きます・・
幕開けは「江島生島」
きゃ=====
舞台が近い・・
松也さん演じる江島が色っぽい・・・・・💗
鳥肌が立ちます・・
舞台が近い・・というより
歌舞伎座や博多座は舞台があり観客席があり、私たちはお芝居を見ているのですが・・
ここでは舞台と観客席が一体となり・・
私たちはタイムマシーンに乗って「江島生島事件」
の目撃者となる・・そんなすごい臨場感です。
正徳四年に実際に起こった江島生島事件を元にしているものです。
七代将軍徳川家継の生母月光院に使えていた大奥の中﨟江島が、山村座の歌舞伎役者
生島新五郎と通じていた事が発覚し、江島は信州高遠へ、
生島は三宅島へ流された上、山村座は廃座へ追い込まれるという事件でした。
ここでの見所はなんといっても、前半の水も滴る色男ぶり
から後半の三宅島で物狂いとなってしまった珍しい「男性の物狂い」です。
女性が恋に破れて、物狂いになるさまは舞踏でもよく演じられますが、
男性版は初めて見ました。
前半の生島との逢瀬の松也さんの色っぽいこと美しい事・・
ぞくぞくしてしまいます・・
そして後半は三宅島の海女にからかわれ・・身をやつした姿。
「江島恋しや・・」といいながら消えてゆく松也さん演じる生島の姿に
場内が一体となって吸い込まれていきます・・
恋に生きて恋故に身を滅ぼす・・こんな美しくデカダンスな純愛を
臨場感と場内の一体感で体験した希有な時間でした。
さてさて・・幕間は枡席でお弁当を食べたり・・
お団子を食べたり・・大忙し
そして二幕目・・
「其俤対編笠 鞘當(さやあて)」
江戸時代の代表的な狂言作者での四世の鶴屋南北の作で人気の演目です。
(といってもこちらも初めて見ました)
幕が開くと桜が満開の吉原中之町。
もう桜満開の花街の世界へぐっと引き込まれます・・
そして私たちは右側(花道と反対側)に座っていたのですが・・
枡席へ渡る通路が花道に変身!!
なんと右左両側に花道が・・
そして場内の奥から巡礼の鈴のような音が・・
これまた・・芝居ではなくどこから響いてくる本物の鈴の音のようです・
この鈴の音を響かせて花道を来るのは郭をパトロールしながら行き交う「茶屋廻り」という人たち。
私たちの座る枡の真横を福之助演じる「茶屋廻り」が私たちの肩のもう横20センチ位のところを金棒の鈴を鳴らしながら
通っていきます・
この臨場感は金丸座でなければ体験出来ないものだと思います。
次に現れる山三の雨に濡れ燕、伴左衛門は雲に稲妻という意匠を凝らした小袖と羽織りという伊達を尽くした衣装で
現れます。
(郭でもてるにはお金がかかるのですね・・・)
この演目の終わりに劇中口上。
(今日は歌之助さんはいません。高校があるそうです😊)
このあとまた30分の幕間。
お弁当を食べる人ありおやつを食べる人あり・・大賑わいです。
(でも相変わらず冷えています)
昼の部最後は
「魚屋宗五郎」これは見た事があります!!
芝翫さんらしい黙阿弥晩年の世話物、
「酔って言うんじゃありませんが・・」以下の長台詞が聞き所です。
そうやって昼の部が終わり。。
金丸座から一旦、退出。
参道へ出て、黄金ソフトクリームを食べました。
夜の部は枡席ずっとではつらいかと二回の「中舟席」
金丸座のお席にはこんぴらさんが航海の安全の神様であることに因んで
すべて舟の名前がついています。
前舟席・・後舟席・・というように。
これは中舟席からの眺めです。
金丸座全体が見渡せます。
座席もゆったりしていた脚も延ばせて楽でした・・
しかし・・総括して言えば・・
臨場感を味合うには絶対「枡席」お勧めです。
(相当狭いので脚のご不自由な方にはお勧めできません。)
芝居小屋の魅力にすっかり取り付かれた私・・
飯塚の嘉穂劇場でもぜひ歌舞妓を見てみたいと思いました。
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