三月大歌舞伎、歌舞伎座にて昼夜通しで見て参りました。
三月に入り確定申告、イベントの準備、打ち合わせと
目が回るように忙しかったのですが、
「忙中閑あり‼️」で飛んで行きました✈️
昼夜通しで拝見する場合、
10時間近い歌舞伎鑑賞になります。
福岡から早朝4時起きで、上京すると
夜の部で集中力が途切れてしまって居眠り💤
たーいへん後悔してましまった、、
というこれまでの経験から前日に前乗り。
万全の体調で歌舞伎座へ‼️
歌舞伎座に入るだけで、心が踊ってしまいます…
昼の部は
東の桟敷席にて。
昼の部の演目は
「女鳴上」から。
こちらなんと、
「鳴上」女性バージョン‼️
「鳴上」という元々の作品があり、男性の僧侶がハニートラップにかかり、
法を破られてしまうものの。
女性バージョン。
つまり女性の尼が、男性のハニートラップにかかって法を破られてしまう!
というもの。
興味湧いて来ませんか?
江戸文化の爛熟期に盛んに行われた
「本歌取り」
というスタイルで、
本質を切り取り、
しかし
性別を入れ替えてみたらどうなるのか…
という、正に爛熟した江戸庶民文化の洒落の世界なのです。
そして、
僧鳴上 → 鳴上尼
雲野絶え間姫 → 雲野絶え間助
バージョンがまた物語として最高に面白いものに
仕上がっているのです!!
そして
雲野絶え間助は、絶世の美女ならぬ、
超イケメンの役どころ…
鳴上尼を主君の命令で落とし入れますが、心の中では
申し訳なく思っている…
男としての魅力、色気、内に秘めた悲しみ…
兎に角、魅力たっぷりの役どころ…
そして尼でありながら、
ハニートラップに堕ちていく鳴上尼は、
厳しい修行に耐えている様から1人の女へ変貌する
姿が何ともerotic✨
わかりやすく古典に親しめる
女鳴上
皆さまも機会あればぜひご覧ください。
ちなみに外国人が見たい歌舞伎ナンバーワンの
「暫く」の
女性バージョン
「女暫く」を演じる七之助様を見て、
花道横の席でドSな眼差しで、睨まれてから
七之助様の大 大 大 ファンになりました💖💖
(余談でした、、😭)
つぎは
「傀儡師」
かいらいし
とも
くぐつし
とも読みます。
傀儡師とは人形遣いの事ですが、
人形遣いに人形の魂が乗り移って人形になりきって
踊る…
という趣向です。
昨年から高麗屋さんの襲名披露ですので
幸四郎さんの舞踏を拝見する事が多いのですが、
「幸四郎さんの舞は天下一品‼️」
美しさ、洗練、品格、、が揃い
申し分なくいつも溜息が出てしまいます。
また
「傀儡師」は清元が聞き逃せないのです。
八百屋お七のところでは「小指をきゅうり」
をはじめとする野菜尽くし🥒
源平合戦の下りでは、「船弁慶」の謡曲、
とても引き込まれます!
実に20人を踊り分けられ、息つく暇もありません。
昼の部の切れは
「傾城反魂香」
近松門左衞門の人形浄瑠璃が元になり、初演は大阪竹本座です。
江戸時代の旬の話題であった、絵師の狩野派と土佐派を
題材にとった作品ですが、
市川家バージョンで脚本、演出されています。
この作品の見どころは、
襖絵に血で描いた虎に魂が宿って、虎が登場したり
石灯籠に墨で描いた自画像が石灯籠を貫通したり
という天才絵師の奇跡もさるながら、、
白鸚さん演じる土佐又平と
猿之助さん演じる又平女房の
しっとりとした情愛に満ちたやり取りに尽きる…
と思います。
後半、浄瑠璃も竹本も静まり、
セリフだけで、死を覚悟した2人のやり取りは
地味な場面であるだけに、役者さんの力が滲み出る
下り…
そして道行にも似た、
2人の静かなやり取りはいかにも繊細で切なく悲しく、
「心中天網島」など、刹那の恋の儚く美しい道行を
描いた
近松門左衞門らしさを尊重した脚本で、素晴らしかった
です。
「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」は、
派手な立ち回りがあるわけでもなく、セリフだけで
見せる歌舞伎ですので、
コアな歌舞伎ファンがいる歌舞伎座だけでしか
見れないものだと思います。
飛んで来た甲斐あり😭😭
さて、夜の部は
歌舞伎好きの
芦屋マダムA様とそのお嬢様と合流しまして三人で観劇
致しました。
幕間のお食事は「吉兆」にて。
季節感溢れるお料理、とても美味しかったです‼️
でもお喋りに夢中になってしまい、
デザートまで行き着かず、後悔😭💦
演目は
「盛綱陣屋」から始まります。
作品の設定は鎌倉時代ですが、
モデルは大阪夏の陣、
佐々木盛綱、高綱はいずれも
真田信幸、幸村の兄弟を
北条時政は徳川家康をモデルにしています。
「信綱陣屋」
見どころは何といっても
中村勘太郎君演じる幼き小四郎が父盛綱の命を助けるために
切腹するくだりです。
幼き子が一目父に会いたかったと言いながら
切腹するくだりは号泣必至😭😭
何回もブログでも書いておりますが、
封建社会は
おうちファーストの時代
それゆえ、子供でさえ幼き頃より切腹する 練習をし
何かあったら、お家のために命を捨てるようにと
言われて育ちます。
勘太郎君の演じる小四郎の御曹司らしい品の良さは
悲劇を際立たせます。
あちこちから鼻をすする音が聞こえて来ます…😭
それから.「首実検」
私、今年になって何回首実検をみた事でしょう…
首を最初から自分の方へは向けず、
ひとまず、
懐紙で血しぶきを拭き取る、
扇子越しに実検する
などなど…
首実検の作法に詳しくなってきました。
(何の役にもたちませんが…😅)
「雷船頭」の舞踏をへて
夜の部切れは
待ってました〜〜‼️
去年の暮れの南座に引き続き
「弁天娘女男白波」‼️
とにかく、河竹黙阿弥のセリフが最高!
5人の大泥棒の、セリフ、唄の調子、そして、着物や着こなしまで、
個性が溢れています。
鎌倉が舞台なので、
江ノ島や七里ガ浜に因んだ洒落たセリフ回しは
一緒に唱えたいくらい‼️
満開の桜、春雨の中、鮮やかな衣装と傘を持ちならぶ五人男。
華やかな切れでした…🌸🌸🌸🌸🌸
芦屋マダムA様は夜の部だけの観劇でしたので、
「あっという間すぎて、、やはり昼夜通しで見ると満足度が違いますね。」
と言われていました✨
歌舞伎好きの友人、貴重な存在です。
A様は京都出身なので、古典的文化的素養がおありなのです。
歌舞伎デビューと言われてA様のお嬢様もとても喜ばれていました。
歌舞伎座の観客はやはり年齢層が高いので、
若い方が歌舞伎に親しんでくださるのは本当に大切なの事だと思います。
いつもよいチケットを手配してくださり、
今回は白波五人男の
「餓鬼の頃から手グセが悪く」の、セリフで有名な
利平をかっこよく演じられた中村亀鶴さま。
ありがとうございました。
利平の役がハマり過ぎて、
もう利平にしか見えません、、😊
次の日の早朝6:15のディズニージェットで夢見心地で帰って参りました…
空港にも桜が飾られ
前乗りの夜寄った母校の南門の桜も
30年前と変わらず、いち早く満開になっていました。
皆さまにも、桜咲くの便りが届きますよう祈ってやみません。。