シルバーウィークに入る前のことですが、
8ヶ月ぶりに新幹線に乗り大阪京都へ。
3年間の休館を経て、リニューアルオープンしたばかりの京都市京セラ美術館へ行って参りました。
元々あった京都市美術館の建物を尊重しつつ、建築家であり館長にも就任された青木淳氏と西澤徹夫氏現代的意匠を加えられ
モダンに生まれ変わった建物はもう本当に衝撃的なぐらい素敵な空間。
こういう古い建物にその雰囲気を損なわずに新しい意匠を加えるやり方は、ちょっとヨーロッパ的。
(歴史的建造物に対するリスペクテーションとう言う面で)
京都ならでは『歴史意識』『文化意識』『美意識』に基づくものだと思います。
それは東京の帝国ホテルがフランクロイドライトの建築をバラバラにしてしまったのとは全く別の価値観ですよね・・
正面玄関
入り口前は玄関下のガラスの中から・・
正面玄関を抜け本館も抜け・・
その向こうには庭園とガラスの茶室が・・
新設された東山キューブでの初の展覧会である「杉本博司 瑠璃の浄土」を見てまいりました。
展示がこれまた、ニューヨークのメトロポリタン美術館を彷彿とさせるような空間を贅沢に使った見せる展示。
日本人がかつては誰でも持っていた「浄土」への希求を現代にて体験して欲しいという杉本さんの想いが込められた展示。
これは私達が死する瞬間に見る光景なのだろうか・・
災に焼かれて灰となってしまうのか・・
深き海へと沈んでいくのか・・
こちらは光学ガラスのかけらを集めて作られた「瑠璃の窓」
文明の残した美と罪のカケラ達・・
音声ガイドを購入したのですが・・
(音声ガイドがスマホにダウンロードする形でこれがまた新しい・・スマホを耳に当て使うので感染症の時代にも安心です)
この美術館のある土地が後鳥羽院にゆかりのある土地であることを受けて、
杉本博司さんが後鳥羽院が流された隠岐島を撮り続けたシリーズ。
この写真とともに後鳥羽院の
「我こそが新じまもりよ沖の海の荒き浪風心してふけ」
のナレーションが・・
心してふけ・・
島流しになって尚堂々と仁王立にて隠岐島の冷たい海を眺める後鳥羽院の壮絶なまでの強い絶望が伝わってきました・・
来館者が圧倒的に若い方ばかりなのも驚きでした。
平日の美術館はかなりの確率で年配者が多いところですので。
若い時に「浄土」というのもの考えて見る。
実感ではなくても考えて見る。
それってすごく大切だと思うのです。
若い頃にはちっともわからなかった歌の意味が
私のようにまあまあな歳になると・・
こういうことだったのか・・
とハッとする瞬間や・・
まったく違う感じ方をしたり・・
その頃には気づかなかったことに気づいたり・・
終了まであと6日
是非是非足を運んで頂きたいです。
本当におすすめです!!