■江戸絵画の華(出光美術館)■
プライス夫妻コレクションと3.11
出光美術館で開催されている、
「江戸美術の華」へ🏃
江戸美術の蒐集家として名高いプライス夫妻の自宅の主要なコレクションを出光美術館が買い取り、そのお披露目の展覧会。
こちらはコロナ禍で2年遅れで公開されたもの。
第一部は、大人気の伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」が出展されていましたが、
全く予約とれず、、
第二部は、ゆったりと鑑賞できました。
プライス夫妻といえば、
12年前東日本大震災のニュースを見てた夫妻が自分たちのコレクションを被災地の人達のために何としてもは見てほしい…
という篤き意志により、
放射能に晒される危険をも顧みず、
「若冲が来てくれました - プライスコレクション 江戸絵画の美と生命 -」
展覧会を、仙台ー福島ー岩手
に持ってきて巡回されたことが、
記憶に鮮明に蘇ってきました。
10年前東北大学に進学したいという息子の意思とは裏腹に、
私の心は「人々が西へ西へと避難している今なぜ東へ行かなければならないのか?」
との葛藤をかかえていました。
そのとき、テレビの特集でプライス夫妻のその江戸美術のコレクション、そのコレクション(の一部)を蒐集したご自宅が素晴らしくて
(フランク ロイド ライトの弟子のブルース、ガフの設計)
また、その無私の精神が心に沁み、、
ようやく息子を仙台に送り出す気持ちの整理がついたのでした。
優れた美術作品やそれを多くの特に非情な状況にらおかれた人に見てほしいという無私の精神は、きっと多くの人を救ったことでしょう。
プライスコレクションの特異性は、フランクロイドライトと交友の深かった、
ジョープライスがたまたま骨董屋で手にした伊藤若冲の「葡萄図」を気に入って購入したところから始まり、
体系的知識もないままに、感性に触れるまたまに集めたコレクションがたまたま全て江戸美術であったことです。
第二部には、伊藤若冲の作品はありませんが、
京都画壇の中心的人物である丸山応挙の作品や、
江戸琳派の坂井抱一の屏風絵、12月の月ごとに描かれた屏風絵が並ぶ様は圧巻です。
琳派とは尾形光琳に傾倒する芸術家達であるが、
かの有名なMOA美術館の「紅梅屏風絵」が川を隔てて、老木と若木の対比という時間軸で描かれているのに対し、
江戸琳派は、春夏秋冬、1月から始まり12月に終わるという、1年の季節の移り変わりという、かなり限定的な時間の流れが屏風絵に閉じ込められている。
若きものもいつかは老いる、、
春夏秋冬は繰り返してもそこに咲くのは同じ花ではない
と読み解けば、そこに流れる時間は時間を超越している。
今年の美術館巡りのテーマは京都のお料理教室の先生から、
ご教示いただいた「日本画壇について」
ようやく世の中が通常通りに動き出したのだから、
美術館巡りを沢山するのだ!!
出光美術館はゆったりとした作品配置。
皇居を真下に臨む休憩室もあり周りは素敵なカフェやショップも多く、
休日に立ち寄るには本当におすすめの美術館です。
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