色々と遡って投稿しております。
6月の岩田屋百貨店でのディスプレイは北原白秋以外に、
モデルとなる小説がありました。
福永武彦の「廃市」

おそらく私の根底にTheseとして横たわっている小説。
「さながら水に浮かぶ灰色の棺である」と
白秋に
抒情的に歌われた「廃市」
は柳川市がモデルだと言われているが、
当の柳川市にとっては「廃市」などと称されるのは迷惑であったらしい。
東京からやってきた大学生の主人公が目にする
水郷の町の美しい姉妹
姉と義兄の悲劇。
都会と地方都市のリズムの違い…
同じ時代に生きているとは思えない
都会と地方の差。
道楽に興じてすれ違い、
信じ合うことができずに
川の流れを背に
少しづつ堕ちていく日常。
標準語と方言を使い分けること。
これは、地方都市に住む人間が多かれ少なかれ
感じている日常なのだ。
このロマネスクな退廃を迷惑に感じても
地方都市とはそういうものなのだ…
退廃の中に「美」を見出した映画化は困難といわれた福永の小説を
大林宣彦監督が見事に映画化されています。

この映画のリズム感。。
川の流れの音や様々な生活音。
昭和ってこういう時代だったなぁ…という音に満ちています。
(よかったらぜひご覧ください!)
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