●読書●
骨董としての古伊万里に関する本
(一枚目は、先日十四代今右衛門さんに見せていただいた古伊万里染付の牡丹皿です)
その1
「古伊万里 見る、買う、使う」
講談社カルチャーブックス 白洲正子、中島誠之介、鈴田由紀夫、中島由美、石森いづみ
30年も前の本である。
(丁度息子を産んだ頃であるが、)
この時代って、コンプライアンスとかガバナンスとかいう概念がどうだったの、と思うくらい、
古伊万里の紹介の本でありながら古伊万里に関して手厳しい本。
骨董というセカンダリーマーケットに明らかなヒエラルキーがあるのだとちょっと面白くもなった次第。
わかることは、30年前に古伊万里ブームがあったこと。
身銭を切って、一流の骨董店の顧客になることからしか始まらない世界線があるということ。
かなり面白くておすすめ。
その2
「NHK 美の壺 古伊万里染付」
骨董の本でないので、
安心して読める。
でも講談社カルチャーブックスの後では毒が足りない(笑)
これを読むと、徳川家光の時代には、水指などの茶道具も有田でも少し作られていたことがわかる。
骨董価値の高い初期伊万里、藍柿右衛門もベロと言われたコンニャク印判もくらわんか茶碗も、ヒエラルキーなく書かれているので
ほっとする。
その3
古伊万里の見方1〜5 九州陶磁文化館
古伊万里の勉強をするならこの5冊。
その4
書籍ではないがweb「京都知新 うつわ知新」
京都新門前のkaji antique の梶高明さんの書かれた骨董に関するコラムが、すごくわかりやすくて一気に読みました。
(これが無料でいいのでしょうか?)
古伊万里を理解するために、景徳鎮で作られた祥瑞、漳州窯の呉須といった古染付、
伊万里がどうして京都の料理屋で使われないか、
お茶会で伊万里が使われない理由、
初期色絵を伊万里古九谷焼とややこしい言い方をするわけ、
などなど、大変勉強になりました。
「骨董はいじるもので美術は鑑賞するものである」
小林秀雄「モーツァルト、無情ということ」
鑑賞しかしてこなかった私には骨董の世界はわからない。
足を踏み入れたら底なしに沼が深そうではあるが、
繰り返しになるが、身銭を切らないと踏み入る事ができない世界
がきっとあるのだろうな。。
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