
🔴菓祖 中島神社🔴
橘(たちばな)の 匂へる香かも ほととぎす 鳴く夜の雨に うつろひぬらむ
万葉集にも詠まれた橘。
本日、太宰府天満宮の境内にある「中島神社」へ。
老舗お菓子処・藤丸さんにご案内いただきました。
中島神社は“お菓子の神様”として知られ、
御祭神は、常世の国から「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」
すなわち橘を持ち帰ったと伝えられる田道間守命(たじまもりのみこと)。
祠の横には、橘の木が青々と枝を伸ばし、
たわわに実をつけていました。
その黄金の実を手に取ると、
古の香りとともに「常若(とこわか)」の言葉が胸に響きます。
橘は『万葉集』や『古今和歌集』にも詠まれた、
不変・永遠の命の象徴。
冬にも葉を落とさぬ常緑の姿が、
“変わらぬ美”“絶えぬ命”を意味します。
唐の宮廷では、正殿の左に桃、右に李を植え、
「花と実」「春と秋」を対にして配置しました。
それが日本に伝わり、
平安の御所では「左近の桜・右近の橘」となります。
桜は儚く咲く“春のいのち”、
橘は常に青く実を結ぶ“不変のいのち”。
この対比こそ、日本人の美意識そのものです。
藤丸さんの銘菓「御門の華」には、
太宰府天満宮の橘の子孫の実が使われています。
菓子は“果子(くだもの)”に始まり、
橘の実の香りがその原点。
お菓子の神様の祠のそばで拾った橘の実は、
まるで千年の時を超えて伝わる
“甘やかな祈り”そのものでした。
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