人気ブログランキング |
Arts de la table
2019年 06月 14日 ( 1 )
ウィーンモダン展(国立新美術館)
久しぶりとなってしまった東京美術鑑賞。

上野のクリムト展と迷いましたが、友人の勧めで、

乃木坂の国立新美術館の

「ウィーン モダン展」へ。
c0366777_01444405.jpeg
こちら本当に素晴らしい!

何が素晴らしいかというと、その切り口。

ウィーン世紀末芸術、クリムト、エゴン シーレ、、

ややもすると単独で語られるがちなテーマを

①マリア テレジアのヨーゼフ2世の統治下における啓蒙主義
②ビーダーマイヤー
③19世紀半ばの会社創設ブーム期

という先駆となる三つの時代から、絵画のみならず、

陶磁器、家具、衣装、宝飾品、銀製品、様々なミニチュア模型、彫刻を使って、

多角的にプレゼンすることにより

なぜ、ウィーンに、そして世紀末に頽廃的な芸術が生まれそれがウィーン モダンへと至ったのかを鮮やかに魅せてくれていることです。

①の啓蒙時代を牽引したのは

フランスのように哲学者ではなく、統治者である

マリア テレジアと皇帝ヨーゼフ2世であったことは特筆すべきでしょう。

マリア テレジア
c0366777_00275680.jpeg
その息子の皇帝ヨーゼフ2世
c0366777_00285702.jpeg

皇帝の狩猟地であったプラーターや夏の離宮アウガルテン宮殿を誰もが使える公園にし、

かの有名なウィーンの総合病院をつくりました。

また、啓蒙の担い手の重要人物であったのは

あの、作曲家モーツアルト‼️

有名なオペラ「魔笛」はフリーメイソンの一員であった

彼の思想の現れなのだそうです。


(28年も前の事になりますが、モーツアルトの没後200年の年にウィーンへ行き、オペラ座にて

モーツアルトの「魔笛」を見ました。)

つづく②ビーダーマイヤーの時代。

これは食卓芸術の様式の講義をするときにもサンプルが少なくて、

困っていましたが、

ナポレオンの侵略時代が終わりウィーン会議でヨーロッパの再編成が行われていた時代、

厳しい検閲を強いられる中で、

人々の関心は、簡素な様式や家庭生活に向いていったこと、、

この文脈を理解するがまず大切なのです!

ビーダーマイヤーはインテリア様式で語られる事が多いのですが、

銀製品もたくさん展示してありました。

c0366777_00414972.jpeg
イメージしていたものより、すごくモダンでおしゃれなデザインのものばかりで、
現代にリバイバルしてもきっと新しいと感じるようデザインなのです。

そしてビーダーマイヤーを誰よりも体現していたのは

なんと

あのシューベルトなんです!

c0366777_00445925.jpeg
シューベルトが作曲家仲間と開く音楽発表の夜会シューベルティアーデの様子

c0366777_00514852.jpeg
ここに描かれているのが典型的なビーダーマイヤー様式だそうです。


つづく、③会社創設ブーム期の君主は

フランツ ヨーゼフ一世

c0366777_00551699.jpeg

あの絶世の美女
皇妃エリザベート(シシィ)の夫と、


言った方がピンときますよね。

こちらが皇妃エリザベート

c0366777_00565657.jpeg
妻があまりにも有名なため、スポットがあたりにくいのですが、

ヨーゼフ一世の功績は何と言っても、

ウィーンの街に巡らされた中世時代の市壁を取り払って、
環状道路(リンク通り)を作ったこと‼️

これにつきます。

市壁がある限りその街は中世時代のままですし拡張もしませんし、

外部との交流も限定されます。

これによりウィーンの街の近代化が揺るぎないものとなります。

この時代の花形の画家は

ザルツブルクからフランツ一世によって招聘された

ハンス マカント

この時代の大スターで売れっ子だった彼の書いた肖像画

c0366777_01064961.jpeg
画家のプリンスがハンス ならば

音楽のプリンスはそう

あのヨハン シュトラウス✨

美しき青きドナウでウィーンをワルツの街として世界中に
印象付けた立役者です。

そして愈々1900年

世紀末の時代がはじまります。

クリムトは頽廃的な絵画のイメージですが、

ウィーン市議会からの依頼で、描いた

(皇帝からではなくウィーン市議会からの依頼で、、

というのは重要なところですね。

ブルジョワジーが力を持ちこれから文化の推進者となっていくということですから、、)

「旧ブルク劇場の観客席」

c0366777_01115882.jpeg
そして

「愛」

c0366777_01154874.jpeg
ゾクゾクするほど美しくて頽廃的な絵画です…

やっぱり恋は死への希求なのだと

何だか見てはいけないものを見てしまったような、、


やはりクリムト凄い!


スキャンダラスで、いつも着ていたスモッグの下には

何も付けていなかったとか、

常に何人もの女性モデルが待機していてクリムトの声がかかるのを待っていたとか

女好きで有名だったクリムトが唯一心から尊敬し、

最後まで交流のあったエミーリア

の肖像画がこちら。


(ここだけ撮影オッケーなんですよ!!)
c0366777_01195645.jpeg

c0366777_01205456.jpeg

エミーリアのドSな眼差しに見下ろされる感じ…

もう堪りません…

展示のアングルも最高‼️‼️‼️

もはやクリムトの愛した女性という文脈でしか語られない

エミーリアという女性は自立した職業婦人でありデザイナーであり、


この肖像画からはクリムトの
彼女に対する限りないリスペクテーションが感じられます。

クリムトが亡くなったあと、エミーリアは自分に関する資料を全て、

クリムトのアトリエから捨て去ったとか。

ヴァールにつつまれた2人の関係を解く鍵はこの絵画にあるのでしょうか。。

そしてエゴン シーレ

これまた、ウィーン世紀末の画家を語る上で避けることはできない画家で、やはり

スキャンダラスな逸話に尽きない彼。


ウィーン世紀末絵画が特徴的なのは、

1900年以降の絵画は、写真の発達により肖像画のように写実的に描く意味を失います、


そんな中で

カンディンスキーやミロのように抽象画に向かっていった、フランツ、スペインそしてドイツに

比してエゴンシーレが描いたのは

人間内部の悲しみ、苦しみ、残酷さ…

c0366777_01323138.jpeg

平行して作られていたウィーン工房の

何ともモダンなデザインの銀製品

c0366777_01373477.jpeg

リンク通りの新旧混ざる様式の建物、

美術史美術館、

トラム、

モーツアルトチョコレート

28年前の記憶を辿りながら、

また、ウィーンを訪れたくなった展覧会、


そして上野のクリムト展も行かなければ‼️

(金曜日は20:00まで開いてる国立新美術館。

18:00以降の入館が空いていておススメです。)

そして夜の国立新美術館もとっても素敵です。

c0366777_01435554.jpeg

by artstable67 | 2019-06-14 23:55 | アート | Trackback | Comments(0)
  

食空間プロデューサーの山野舞由未です。
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
以前の記事
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
最新のコメント
宮橋さま。 返信遅れま..
by artstable67 at 22:24
はじめまして。宮橋ともう..
by 宮橋 at 01:57
> Manathiかずよ..
by artstable67 at 04:28
ふく恵さんと見習いさんの..
by Manathiかずよ at 11:31
> ライラックさん コ..
by artstable67 at 21:41
拙ブログ、読んでくださっ..
by artstable67 at 22:42
> desire_san..
by artstable67 at 23:38
新年おめでとうございます..
by desire_san at 11:14
> 萬年順子さん 若き..
by artstable67 at 00:50
素敵にご案内してくださっ..
by 萬年順子 at 14:20
最新の記事
元外交官夫人によるブラジル料..
at 2019-09-13 23:07
アステロイドで祝う敬老の日の..
at 2019-09-11 00:02
ポンパドール夫人
at 2019-09-07 02:30
オールドノリタケの美(岩田屋..
at 2019-09-04 01:44
コペンハーゲン私のお勧め
at 2019-08-29 22:03
カテゴリ
全体
自宅レッスン
外レッスン
イベント
その他のお仕事
テーブルコーディネート
紅茶
おうちごはん
そとごはん
お稽古
旅行
テーブルウエア
お花
アート
音楽
歌舞伎
オペラ
映画
読書
ファッション
インテリア
スポーツ
福岡の美味しいお店
売れるテーブルコーディネートとは?
レグランティエ 笠間裕子
テーブルスタイリスト山野舞由未
飛行機大好き
JAL都道府県シール集めています
メディア出演
アシスタント大募集
宝塚
お茶
博多阪急7階オールドノリタケ展
ポンパドール夫人大好き
乱気流
やってしまいましたフィンエアー編
被害がひどくなりませんよう。
未分類
お気に入りブログ
福岡のお菓子教室 Com...
Fooding Diary
三溝清美 Cooking...
VERT DECO ...
photo-holic 
のんびりと。しあわせに。
穏やかな日々
お茶をどうぞ♪
kimcoa-blog
カマクラ ときどき イタリア
外部リンク
多賀谷洋子オフィシャルブログ

+++---------------+++
レッスンのお問い合わせ、テーブルスタイリングやセミナー等お仕事の依頼は



までお願い致します。
+++---------------+++
タグ
記事ランキング
画像一覧

Copyright(C) 2015 aretstable.jp All rights reserved.