時差あり投稿でしかも日時が前後しますが・・
6月2日博多座中村芝翫襲名披露公演初日
昼夜通しで拝見して参りました。
芦屋と名古屋から友人が合流して観劇です。
佐藤可士和氏デザインの祝幕は大阪松竹座の時と同じ物でした。
午前の部は
「菅原伝授手習鑑 車引(くるまびき)」より幕が開きます。
歌舞伎座の襲名披露公演の初日から大阪松竹座と拝見しておりますが、
菅原伝授手習鑑が最初に演じられるのは、
太宰府(菅原道真)のお膝元の博多座ならではですね・・
ご当地色を演目に取り上げられているのを見るのが毎回楽しみです。
「菅原伝授手習鑑」は「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」と並んで、三大名作
と評される義太夫狂言です。
竹田出雲、並木千柳、三好松洛らの合作により、延享三(1746)年8月、
大阪竹本座で初演された全5段の時代浄瑠璃は、翌月には歌舞伎に移入され以来
上演を重ねています。
物語のあらすじを・・
かつて百姓の四郎九郎が菅原道真に仕えていて、そのとき生まれた子供に菅原道真が
名付けた松王丸・梅王丸・桜丸。
それぞれは成長して松王丸は藤原時平、梅王丸は菅原道真、桜丸は斎世親王の
舎人として奉公します。
しかし、松王丸の主人の左大臣藤原時平は、右大臣の菅原道真を陥れようと画策する。
帝の弟の斎世親王と菅原道真の養女の苅屋姫の密通が露見すると、
是を理由に菅原道真が謀反を企てていると言い立てた為、菅原道真は筑後の國
太宰府へと流罪の身となります。
「車引」は都の吉田神社でのお話。
梅王丸と桜丸が切腹しようかと思い詰めているところへ・・
敵の藤原時平の行列が通りかかります。
その行列の行く手を阻む、梅王丸(橋之助)と桜丸(福之助)。
押しとどめる時平の舎人の杉王丸(歌之助)。
構わず牛車に襲いかかる梅王丸と桜丸。
そこへ現れ二人を止めたのは時平の舎人を務める松王丸(芝翫)
さて・・
2人を止めた松王丸が実は深い忠誠心を秘めていたのは
歌舞妓ファンならよくご存知の「寺子屋」の段で知るところとなります。
松王丸が自分の息子の首を菅原道真の息子を護る為に差し出し首実検
する段です。
いくら恩義ある主君の為とはいえ息子の首を差し出す・・
というのは現代人の感覚からしては到底理解できないのですが、
平安時代と現代の身体感覚を等並みに考えてはいけないのです。
しかし「寺子屋」はそんな価値観と身体感覚の差など軽やかに超えて
共感の涙へと観客を連れて行ってくれるのです。
「菅原伝授手習鑑」を通しで見る事はなかなかできませんが、
「寺子屋」の段を踏まえて「車引」を見ると、より味わい深い物
となります。
さてそれはさておき・・
歌舞妓の様式美に溢れた華やかな・・襲名披露公演の幕開けにふさわしい一幕
に惚れ惚れしたのでした。
それから艶やかな尾上菊之助さんの「藤娘」
菊五郎さんの「彦山権現誓助剣 毛谷村」と続き・・
芝翫さん演じる「天衣紛上野初花 河内山」
江戸城に仕えた表坊主 河内山の物語です。
河内山・・なかなか難しいやくどころだと思います。
お金をだまし取るずるくて汚い悪人の部分と・・権力に歯向かおうとする反骨心。
困った人をほっておけない義侠心・・それら全てを内包したなかなか一筋縄
ではいかない河内山。
人間の多面性を多彩な感情を表現する役所は勧善懲悪ストーリーと違って
御芝居としては観客を巻き込んでいくのは難しいのですが、
私は芝翫さんの「河内山」・・とても魅力的で溜息が出ました。
さて・・幕間に
襲名披露のランチを頂きました。
「若駒会」でも頂いたオリジナルタオルがついています。
さて夜の部につきましては
後ほど、レポ致しますね。
夜の部の幕間に楽屋に御邪魔しました。
「連獅子」が終わったあとの隈取りの儘の・・
芝翫さん歌之助さんと福之助さんとも・・
(芝翫さんと歌之助さんの楽屋は同じお部屋でした。)
三田さん、いつお会いしても可憐です。
同じ年とは思えません💓
(御写真は載せる事が叶いません)
お疲れのところ有り難う存じました。
何度見ても襲名披露公演は楽しみが尽きません。
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