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Arts de la table
戸栗美術館
連休前のことですが初めて松濤にある戸栗美術館へ。
肥前磁器のコレクションで名高い美術館ですが、
九州に住んでいる私にとっては、限られた時間の東京滞在時間中に
有田に行けば沢山見ることができる肥前磁器を
わざわざ東京で・・と思っていましたが
前言撤回!!
戸栗美術館_c0366777_22394045.jpeg
今期のテーマは「鍋島と金蘭手」

伊万里に行っても目にすることのない献上品としての「鍋島」があることあること・・

江戸時代の鍋島藩の献上品としての鍋島の完品は一個(一皿?)3億と言いますから・・

この展示だけでも・・・・

(いや、やめましょう。。下世話な話は・・)

美術展とはコレクションをどんな切り口で見せるか・・がキュレーターの腕の見せ所

ですが、こちらの「繰り返し文様」という「文様」をテーマにした展示は

すごく凄〜〜く勉強になりました。

平日ということもあり、ほぼ貸切状態・・メモを取りながら2時間半かけて

器とゆっくり対話しながら鑑賞しました。

(以下は自分の記録用として)

鍋島焼は献上品として10客揃えで作成された。

色は多くてもの4色遣い。

鍋島特有の文様としては・・

椿文
更紗文
唐草文
牡丹唐草文
宝尽くし文
紫陽花文
水仙文
桜樹文
団花文


高台があるのが鍋島の特徴ですが
高台の文様も代表的な櫛目以外に・・

櫛目
雷紋
剣先文
牡丹折枝文
四方襷文
七宝結文
と沢山のバリエーションが・・

金蘭手の様式が出てきたのは江戸時代も後期・・
元禄時代ですが

金蘭手とは・・
区画割や窓絵を多用して器面を分割して、全体をさまざまな文様で埋めていく技法です。

その定番文様としては

雪輪文
四方襷文
唐花文
亀甲文
赤玉瓔珞文(この文様は京焼にもよく見られますね)
宝相華唐草
桐菱文
十字牡丹文
波に梅花文
だみ染めの丸紋
色絵草花丸紋
色絵龍唐文
唐花
石畳文
荒磯文
花籠文
欄干に花籠
珍獣文(龍・鳳凰・亀・麒麟)

文様のことがわかると器の時代が少し読み解けるようになりますね・・

それから大切なのは裏側の「銘」

江戸時代は有田・伊万里は鍋島藩の庇護にあったため

窯元単位では活動していなかったので、「銘」がなかったり

中国風を真似たりしています。





戸栗美術館_c0366777_22395652.jpeg
この美術館は鍋島藩のお屋敷の後に建設されたとか・・

ロビーからは美しい庭園が望めます。

(散策はできません)

戸栗美術館_c0366777_22401843.jpeg
戸栗美術館の創設者、戸栗亨氏は

日本の美術品が散逸するのを危惧して、

当初は闇雲に美術品をコレクションしていたそうですが

指南してくれる人やよき美術商との出会いで、

肥前磁器をそれも江戸時代の初期伊万里・鍋島・柿右衛門・金蘭手に絞って

コレクションされたそうです。

このような個人コレクターが体系的に計画して、購入し、美術品の国外流出を止め、コレクションするのみならず、美術館という形で一般人に
公開してくれているのは大変社会貢献度の高い素晴らしい取り組みであることよ・・

と感動しため息をついたことでした・・


先日私のLINEグループの中でも、美術や文化にすごく詳しい方々のグループがあるのですが・・

(色々な情報をそこで教えていただいています)

京都の思文閣出版の開催するオークションの話題が出ていました。

骨董品のオークションは真蹟の保証はしません・・ 
と注意書きしてあるオークションが多いのですが、
こちらは

しかるべき調査機関で調査した「真磧保証書」がついていることが特筆すべきことでしょうか。

つまり、思文閣の入札会の出品されたものは本物!ってことです!

その目録
戸栗美術館_c0366777_00075522.jpeg

最近では亨保年代の「古事記」の写しが出品され1500万で落札されたとか・・

戸栗美術館_c0366777_00080891.jpeg
高額なところでは8000万で落札された書があるとか・・
(どなたの書だろう)

一つ懸念されるのは、円安に乗じてこれらの美術品が海外に流出してしまわないか・・

ということです。

美術品はお金のあるところへ流れていく宿命ですから・・

戸栗亨氏のような気概のある資産家が円安の日本の美術品の海外への流出を防いでくれる救世主として

現れないか・・と願うばかり。

しかしながら、美術品の流出を抑えるだけでは、日本経済にとって、応急処置にすぎません、。

産業として工業として日本が国際的競争力を取り戻し外貨を獲得するためには、
何ができるのだろうか。。

輸出品として、肥前磁器が蘇る日がくるのだろうか…

取り留めなく思いを巡らせながら

松濤のお屋敷街を抜けて渋谷駅へ…。




# by artstable67 | 2024-06-10 22:39 | アート | Trackback | Comments(0)
手土産
手土産。

悩みます。

東京へ行くなら地元のものをお待ちすればいいでしょうが、

1番厄介なのは、同じ九州内へ行く時。

先々週は、京都日帰りしたので、

駅の伊勢丹でサクッと購入できる「末富」のお菓子。

手土産_c0366777_01023917.jpeg

今週は

太宰府の梅園の本店へ
手土産_c0366777_01033797.jpeg
福岡の三越にも、少し置いてありますが、

やはり本店は品揃えが豊富で、

お茶会があったからと、

夏販売予定の麩菓子も、特別に分けていただきました!

手土産_c0366777_01045576.jpeg

定番 宝満山 にラムレーズン入りと、

乾燥してスティックタイプのものが出ていました。

これで、今週の分は大丈夫!
手土産_c0366777_01080339.jpeg

# by artstable67 | 2024-05-28 01:00 | Trackback | Comments(0)
風神雷神
先週の京都日帰り京セラ美術館の帰りに…

お誘いいただき、素敵なお店へ。
風神雷神_c0366777_00295213.jpeg
入り口、見逃してしまいそうですが、

主催者のマダムが待っていてくださいました。

風神雷神_c0366777_00305225.jpeg
風神雷神_c0366777_00310865.jpeg
博多行きの最終新幹線に乗るために、滞在時間2時間20分。


お店の方を急かしてしまったようで、、
優雅さのかけらもなく申し訳なく…


会食に集うメンバーは恐ろしくフットワークの軽い方々ばかり。。

(私の周りはなぜだか、そういう方が多い😅)

風のように現れて、

雷を轟かせながら?

帰っていく。。


風神雷神_c0366777_00362394.jpeg
村上隆さんの風神
風神雷神_c0366777_00375473.jpeg

雷神。

類は友を呼ぶ…

なのでした。

# by artstable67 | 2024-05-28 00:28 | そとごはん | Trackback | Comments(0)
色んな青
日に日に濃くなる新緑
色んな青_c0366777_01424419.jpeg
有田を一望できる場所に連れてきていただきました。
色んな青_c0366777_01433280.jpeg
この街には、色んな青がある

瑠璃の青

鮮やかな明るい青

海のような青

夏の谷川の様な青

光によって、季節によってゆらぐ

正解のない色彩たち…

色彩のなかった私の世界も今だけ

色んな青そして鮮やかな色彩で溢れている…

なんと豊穣で

なんと哀しき世界よ。

# by artstable67 | 2024-05-24 01:41 | アート | Trackback | Comments(0)
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)
▪️村上隆 もののけ京都▪️

京都京セラ美術館 新館の東山キューブで開催中の村上隆さんの大規模個展へ行ってきました。

京セラ美術館の美しい館内が村上ワールドにジャックされていて

なんとも摩訶不思議な空間に!!

村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14553368.jpeg

(この展覧会は全て撮影オッケーなのです!)
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14562106.jpeg
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14575273.jpeg

村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14581090.jpeg

 色んな方が色んな感想を書いていらっしゃると思いますので、
私は、私がはっとさせられた点を。
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14583241.jpeg

前日に有田にて有田陶磁美術館の村上館長による、「有田窯業史400年のあゆみ」レクチャーの中で、
「モノに美術的価値が生まれる瞬間」について教えて頂きました。
それによると、
日本人独特の美意識は、「民族が滅ぶほどの戦乱や文化を改変させられるような外圧が皆無だった」
ことに、よって熟成して育まれた、

(中国が支配する民族が変わるたびに、前の文化を徹底的に壊してきたのとは、対照的ですね。。)

「モノの微妙な変化に価値観を持つ文化」であるとのこと・・

例えば・・

明の古染付の虫食いを愛で、
李朝雑器椀を茶器に見立て、
沓形椀の歪みを愛し、
金継ぎやかすがいをよしとしてきました。

展覧会の話しに戻ると、
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14565418.jpeg
上の写真、このお菓子のおまけのフィギュア」と
下の写真、
この展覧会の「制作企画進行表」を、ガラスの中に展示してあります。
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14571538.jpeg

捨てられる筈のおまけや、普通は、見せたくない企画進行表も
美術館に展示されれば、「美術品」となってしまう…
そこを見よ!!
という展示でした。

ややこしい

今まで、私達が「美術品」と思って見てきたものは、本当に美術品なのか?
美術館で、厳かにガラスケースに展示されているから、
何も考えずに、アートとして鑑賞してきたのではないか…

ゴッホやフェルメールの描くものは「名画であり美術品」というテーゼの元に、キュレーターが多少切り口を変えた物を見てありがたがっていただけではないか?

数寄者達よ。。
その古染付の虫食いは本当に美しいのか。。?

フェルメールやゴッホは??

「美術館に飾られたものが美術品である。。
というその考えを一度捨ててみよ。。
テーゼを一度捨ててみよ。。」というアート。


ややこしい

ロンドンのテートモダンで「The decending world」という、
滅びていく民族、衰退していく文化、消えていく街、絶滅していく動物の写真ばかりを展示した、エキシビジョンを見た時と同じくらいの、パラダイムの変換を余儀なくさせるような素晴らしい
展示でした。
ぜひ、いえ絶対行くべきです・・
村上隆 もののけ京都(京都京セラ美術館)_c0366777_14585698.jpeg

#京都京セラ美術館
#村上隆もののけ京都
#村上隆
#難解で思想性に溢れたアート
#ややこしい
#素晴らしい
#絶対行くべき
#日帰りで行ってきた
#今この瞬間に行くべき展覧会

# by artstable67 | 2024-05-20 14:53 | アート | Trackback | Comments(0)
  

食空間プロデューサーの山野舞由未です。
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