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ウィーンモダン展(国立新美術館)
久しぶりとなってしまった東京美術鑑賞。

上野のクリムト展と迷いましたが、友人の勧めで、

乃木坂の国立新美術館の

「ウィーン モダン展」へ。
ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01444405.jpeg
こちら本当に素晴らしい!

何が素晴らしいかというと、その切り口。

ウィーン世紀末芸術、クリムト、エゴン シーレ、、

ややもすると単独で語られるがちなテーマを

①マリア テレジアのヨーゼフ2世の統治下における啓蒙主義
②ビーダーマイヤー
③19世紀半ばの会社創設ブーム期

という先駆となる三つの時代から、絵画のみならず、

陶磁器、家具、衣装、宝飾品、銀製品、様々なミニチュア模型、彫刻を使って、

多角的にプレゼンすることにより

なぜ、ウィーンに、そして世紀末に頽廃的な芸術が生まれそれがウィーン モダンへと至ったのかを鮮やかに魅せてくれていることです。

①の啓蒙時代を牽引したのは

フランスのように哲学者ではなく、統治者である

マリア テレジアと皇帝ヨーゼフ2世であったことは特筆すべきでしょう。

マリア テレジア
ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00275680.jpeg
その息子の皇帝ヨーゼフ2世
ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00285702.jpeg

皇帝の狩猟地であったプラーターや夏の離宮アウガルテン宮殿を誰もが使える公園にし、

かの有名なウィーンの総合病院をつくりました。

また、啓蒙の担い手の重要人物であったのは

あの、作曲家モーツアルト‼️

有名なオペラ「魔笛」はフリーメイソンの一員であった

彼の思想の現れなのだそうです。


(28年も前の事になりますが、モーツアルトの没後200年の年にウィーンへ行き、オペラ座にて

モーツアルトの「魔笛」を見ました。)

つづく②ビーダーマイヤーの時代。

これは食卓芸術の様式の講義をするときにもサンプルが少なくて、

困っていましたが、

ナポレオンの侵略時代が終わりウィーン会議でヨーロッパの再編成が行われていた時代、

厳しい検閲を強いられる中で、

人々の関心は、簡素な様式や家庭生活に向いていったこと、、

この文脈を理解するがまず大切なのです!

ビーダーマイヤーはインテリア様式で語られる事が多いのですが、

銀製品もたくさん展示してありました。

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00414972.jpeg
イメージしていたものより、すごくモダンでおしゃれなデザインのものばかりで、
現代にリバイバルしてもきっと新しいと感じるようデザインなのです。

そしてビーダーマイヤーを誰よりも体現していたのは

なんと

あのシューベルトなんです!

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00445925.jpeg
シューベルトが作曲家仲間と開く音楽発表の夜会シューベルティアーデの様子

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00514852.jpeg
ここに描かれているのが典型的なビーダーマイヤー様式だそうです。


つづく、③会社創設ブーム期の君主は

フランツ ヨーゼフ一世

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00551699.jpeg

あの絶世の美女
皇妃エリザベート(シシィ)の夫と、


言った方がピンときますよね。

こちらが皇妃エリザベート

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_00565657.jpeg
妻があまりにも有名なため、スポットがあたりにくいのですが、

ヨーゼフ一世の功績は何と言っても、

ウィーンの街に巡らされた中世時代の市壁を取り払って、
環状道路(リンク通り)を作ったこと‼️

これにつきます。

市壁がある限りその街は中世時代のままですし拡張もしませんし、

外部との交流も限定されます。

これによりウィーンの街の近代化が揺るぎないものとなります。

この時代の花形の画家は

ザルツブルクからフランツ一世によって招聘された

ハンス マカント

この時代の大スターで売れっ子だった彼の書いた肖像画

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01064961.jpeg
画家のプリンスがハンス ならば

音楽のプリンスはそう

あのヨハン シュトラウス✨

美しき青きドナウでウィーンをワルツの街として世界中に
印象付けた立役者です。

そして愈々1900年

世紀末の時代がはじまります。

クリムトは頽廃的な絵画のイメージですが、

ウィーン市議会からの依頼で、描いた

(皇帝からではなくウィーン市議会からの依頼で、、

というのは重要なところですね。

ブルジョワジーが力を持ちこれから文化の推進者となっていくということですから、、)

「旧ブルク劇場の観客席」

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01115882.jpeg
そして

「愛」

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01154874.jpeg
ゾクゾクするほど美しくて頽廃的な絵画です…

やっぱり恋は死への希求なのだと

何だか見てはいけないものを見てしまったような、、


やはりクリムト凄い!


スキャンダラスで、いつも着ていたスモッグの下には

何も付けていなかったとか、

常に何人もの女性モデルが待機していてクリムトの声がかかるのを待っていたとか

女好きで有名だったクリムトが唯一心から尊敬し、

最後まで交流のあったエミーリア

の肖像画がこちら。


(ここだけ撮影オッケーなんですよ!!)
ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01195645.jpeg

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エミーリアのドSな眼差しに見下ろされる感じ…

もう堪りません…

展示のアングルも最高‼️‼️‼️

もはやクリムトの愛した女性という文脈でしか語られない

エミーリアという女性は自立した職業婦人でありデザイナーであり、


この肖像画からはクリムトの
彼女に対する限りないリスペクテーションが感じられます。

クリムトが亡くなったあと、エミーリアは自分に関する資料を全て、

クリムトのアトリエから捨て去ったとか。

ヴァールにつつまれた2人の関係を解く鍵はこの絵画にあるのでしょうか。。

そしてエゴン シーレ

これまた、ウィーン世紀末の画家を語る上で避けることはできない画家で、やはり

スキャンダラスな逸話に尽きない彼。


ウィーン世紀末絵画が特徴的なのは、

1900年以降の絵画は、写真の発達により肖像画のように写実的に描く意味を失います、


そんな中で

カンディンスキーやミロのように抽象画に向かっていった、フランツ、スペインそしてドイツに

比してエゴンシーレが描いたのは

人間内部の悲しみ、苦しみ、残酷さ…

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01323138.jpeg

平行して作られていたウィーン工房の

何ともモダンなデザインの銀製品

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01373477.jpeg

リンク通りの新旧混ざる様式の建物、

美術史美術館、

トラム、

モーツアルトチョコレート

28年前の記憶を辿りながら、

また、ウィーンを訪れたくなった展覧会、


そして上野のクリムト展も行かなければ‼️

(金曜日は20:00まで開いてる国立新美術館。

18:00以降の入館が空いていておススメです。)

そして夜の国立新美術館もとっても素敵です。

ウィーンモダン展(国立新美術館)_c0366777_01435554.jpeg

by artstable67 | 2019-06-14 23:55 | アート | Trackback | Comments(0)
ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄
先週の金曜日の事ですが、国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展」へ行ってきました。
ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄_c0366777_01435538.jpg

今回の目玉はなんといってもフェルメールの「天文学者」が来日する事でしょう。
金曜日、平日ではありましたが、かなり混雑している館内の様子です。
ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄_c0366777_00195720.jpg
上階ではマグリット展が開催されていました。
こちらが入場口。
ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄_c0366777_00222307.jpg
世界一有名な美術館といっても過言ではない「ルーブル美術館」の膨大な絵画コレクションからどのようなテーマで展覧会がアレンジされているか・・気になるところですよね。
今回のテーマは「風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄」

「風俗画」とは絵画ヒエラルキーの中どのような位置づけかご存知ですか?
そもそも絵画ヒエラルキーとは?

絵画ヒエラルキーの中に於ける「風俗画」について少しだけ補足しますと・・

ヨーロッパ絵画の伝統の中で既に、宗教的神話的モチーフを素材にした「歴史画」に重きを置く風潮はありましたが、はっきりと歴史画優位の絵画観を打ち出したのはフランスのアカデミー名誉顧問を務めた美術理論家、アンドレ・ファビアン。
ファビアンは1668年に刊行された「1667年の王立絵画彫刻アカデミー講演録」の序文に於いて絵画の主題を論じる中で
「歴史」と「物語」を扱った絵画・次いで「肖像画」「風景画」「動物画」「果物・花々・貝殻」という順番で序列をつけました。
そして当然のごとく、そこには些末な日常の情景は含まれていなかったのです。
もちろん、ファビアンが言及しなかったからといって日常生活の絵画が存在しなかった訳ではありません。

そんな絵画ヒエラルキー的には下位に属する「風俗画」に焦点をあて、古代ギリシャの壷の絵画からはじまる展覧会テーマは「風俗画」というアングルからしか見えて来ない絵画史の側面が伺われて興味深く勧賞しました。
なお、「風俗画」とは日本特有の言い回しだそうで、フランスをはじめとするヨーロッパの絵画史の中では「ジャンル画(peinture de genre)」として身近な日常生活に題材を得た絵画を総称するのだそうです。

展覧会の作品の中から抜粋して・・

こちらは古代ギリシャの壷「ぶらんこの画家(黒像式頚部アンフォラ)」
ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄_c0366777_00583065.jpg
およそ紀元前525年から紀元前520年に作成されたもの。
一見すると優雅な若い女性が子供が動かすブランコに乗り、その脇に立った男性たちがそれを見守る・・という日常の再現に見えます。
アンフォラを反対側から見ると・・・
ヘルメスとヘラクレスがアルケスティスを冥界から救出している場面が描いてあり、こちらも神話の一場面だということになります。
英雄のドラマを描くことと日常のシーンが出会い図らずも当時の日常生活をかいま見る事ができた例でしょう。

それから今回の展覧会の主役作品
フェルメールの「天文学者」
ルーブル美術館展 日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄_c0366777_01095742.jpg
(公式図録の表紙になります。)
ルーブル美術館には2点フェルメール作品がありそのうちの一点がこちら「天文学者」

フェルメールの作品は「風俗画」といえど寓意がたくさん隠されており。それを読み解くには教養が必要とされる事から、ただの「風俗画」よりは格上の作品とされています。
「天文学者」では背後の壁にかけられたピーター・レリの「川から救われるモーセ」が作品に象徴的な意味を与えると見なされ、約束の地に導く
ヘブライ人の精神的指導者であるモーゼを、天文学者によって探索される精神的方角への暗示と解釈するそうです。

実際に拝見して。。
さすがに人が多く並んで順番待ちで絵画の前に立てる感じ・・
立ち止まる事はできません。

思ったより小さい絵画です。
印象的だったのは左斜め上から差し込む光が天文学者の衣服のずっと下(右下)まで描き込まれており、図録や写真で見るよりずっと明るく光の印象が強い絵画なのです・・

薄暗がりの中に深く差し込んで行く柔らかい光です・・

フェルメールが描くと「風俗画」も静謐で高尚な空気感を醸し出します。

「天文学者」に後ろ髪を引かれながら実はもうひとつ見所が今回の展覧会にはあるのですが・・

長くなりそうですのでそれはまた後日・・

こちらの展覧会6月1日まで・・ご覧になりたい方はお急ぎくださいね。

by artstable67 | 2015-05-25 01:41 | アート | Trackback(1) | Comments(0)
  

食空間プロデューサーの山野舞由未です。
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